第21話

「やはりそうでしたか。ここまで推理しましたが、まだ秘密を明かす気にはなりませんか?」

しばらくの沈黙の後

「わかったよ、僕の秘密を明かします。けど、タダでとはいかないよ?

僕と囲碁で勝負して圭君が勝ったら教えてあげる。

もし負けたら…そうだなぁ…僕の言うことを一つ聞く、っていうのはどう?」

先生の顔はいつも通りの屈託のない笑顔に戻っていた。

先ほどの瀧先輩との一戦のことを考えると勝てるはずがない。

しかしここで断ると一生秘密はわからないままだ。


「瀧先輩の時のような手を使うつもりなんですか?」

「ううん、僕はただ圭君との対局を楽しみたいだけだよ?」

根拠はない。だが、嘘はついていないような気がした。

「わかりました。その勝負、受けます。」


(byらゆと)

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