　さて、だいぶ時間が開いてしまいましたが第六回目です。なんかカクヨムの萩原編集長がやめて別の方になったらしいとかカクヨム一周年とかいろいろあったらしいですががあまり詳しくないのでその辺はとりあえずスルーで。

　あ、でも今日からカクヨム作品内にリンクが張れるようになったみたいなのでとりあえず試しに今回から張ってみることにしました。時間があったら前のも張ります！

　今回は前々からフォローはしていたものの、熱狂的なファンがいたり星が多いのを見て「この作品は私が星入れなくても通るだろ」と読むのをパスしてた作品が多くなりました。

■よくある高校-school-の相談業務-counseling-（ミステリー）　作者織田崇滉

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882333112

　カクヨムマガジンにも掲載されたカクヨムミステリー屈指の人気作『よくある兄妹-ふたご-の思考実験-thought experiment-』のスピンオフ（１０年後の話？パラレル？）で、スクールカウンセラーのお兄ちゃんがバンバン事件を解決していく探偵ものです。

　この作品の特徴は何といっても、読んでいるだけでビジュアルが浮かんでくるような個性的で、よく練られたキャラたち。双子の姉妹や沁はもちろん、犯人や被害者、周りの登場人物まで皆キャラがたっていて面白いです。

　謎そのものはシンプルと言うかそれこそ「よくある」ものなのですが、それをうまく使っており、事件発生から解決に至る心理ドラマを楽しめる作品です。

　サクサク気軽に楽しんで読め、謎解きがあり各話の読後感もよい、エンタメ作品として完成度の高い作品。普通にドラマ化とかしそうな感じ。

　正直私は『よくある兄妹』よりもこちらの方がサクッと事件が解決して好みだったかも。『よくある兄妹』を読んでいないからと言う理由でスルーしていた人は読んでなくても大丈夫だから是非読んで欲しい！

■48million ～国民総アイドル社会～（SF）　作者板野かも

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882371853

　「国内の全女性がアイドル活動を義務付けられた未来」という「無限に増殖する横浜駅が日本を覆いつくす」並みの吸引力のあるあらすじで注目を浴びた作品。

　perfumeとBABYMETALは好きだけど、なんとか４８は全くもって興味のない私ですが、評判が良かったので読んでみました。

　一時は不純異性交遊を理由にアイドルを辞めさせられ、絶望のふちに立たされたチグサが復活する王道ストーリーで、特にラスト付近の展開は熱く、盛り上がる展開でカタルシスが感じられて良かったです。

　読み進めているうちに設定は斬新なだけでなく、かなり練られ作り込まれていることがわかり作者のセンスと熱意を感じました。

　個人的にはSFが好きなので、せっかく「国民総アイドル制度」という斬新な設定を思いついたのだから、アイドル制度や管理社会そのものにもっと反抗したりディストピアっぽさがほしかったところ。まあでも、この作者はおそらくアイドルが好きなのでアイドル物を書きたかったんだろうし、これはこれでいいのかもしれない。評判にたがわない、最後までぐいぐい引き込まれて盛り上がる、そんな作品。

■ユニーク　（現代ドラマ）作者杉浦遊季

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882149512

　ふと私がぼんやりとドラミスのコンテストのページを見ていた時に「もうこれ大賞で良くない？」みたいなキャッチコピーが目に飛び込んできて「何ぃ！？　この激戦区のドラミスでそんなすごいことが言えるなんてさぞかしすごい作品に違いない！」とブクマしたのが読むきっかけです。（実際に読むのは遅くなりましたが）

　内容は女子卓球部を舞台にした部活もので、次々と少年マンガに出てきそうな能力をもった個性的なキャラクターたちがでてきます。

　しかしストーリーは全然少年漫画っぽくはなく、お話は部活内の人間ドラマというか部活内でおきた事件を解決するというもの。また女性キャラが多く一見ハーレムのようなのですが、ラノベにありがちなテンプレ美少女はいません。皆自分らしさ、個性をもっていて、ちょっとした描写にも現れています。

　よく練られた設定、鮮やかな文体で最後まで目が離せない青春小説で、これを大賞候補に挙げる人がいるのも納得な一作。

■もう一度会いたくて（恋愛）作者紫藤　咲

https://kakuyomu.jp/works/1177354054881965603

　あまり恋愛小説に興味がなく、今回のコンテストでも全然恋愛ジャンを呼んでこなかった私ですが、恋愛ジャンルを圧倒的な星数で（おそらく）１位通過し、TL上でも評判が良かったので読んでみることにしました。

　結婚直前に失踪した婚約者の優斗。失意のどん底にいたそこへ現れたのは、彼に似た面影をもつ海斗で……。恋愛ものはあまり得意ではないのですが、ミステリーやSFの要素が絡む謎の多い展開で面白く読めました。

　頭に鮮やかに映像が浮かんでくるような滑らかで瑞々しい文章。序盤はお洒落で落ち着いた大人のラブストーリーなのかなと思っていましたが、序盤の謎が解明されはじめる中盤以降からどんどんドラマチックになり、最後には登場人物それぞれの思いや選択が嵐のように感情を揺さぶり、まるで一遍の映画を見ているかのような充実感がありました。評価が高いのも頷ける、壮大な愛の物語です。

　ラノベ系ではないけど、SF要素があって泣けて、お洒落な恋愛小説。これは本になっても売れそうな感じがするなあ。

　とまあ、今回は以上です！もう読者選考期間も終わったし、読むのをやめてもいいんですが、なぜかこの書評（エッセイ？）は別にTwitterとかで宣伝をしているわけでも無くひっそりとやっているはずなのに、星が入り続けるしフォローも増えるのでやめ時を完全に逃してます。

　みなさん、これだけじゃなく小説も読んでくださいね？『終わり逝く星のクドリャフカ』番外編と言うか登場人物紹介も更新してますんで……（ダイレクトマーケティング）　それではまた☆