さて、三回目となりましたコンテスト作品の紹介。今回は前回の更新から少し間が空いてしまいました。なぜかというと、４０万字超えの大作を読んでいたから！　それがこちら↓

■『アリスの飛び降りた教室』（SF）ゆずこさん作

　初めは文字数を見てなくて、ふと読んでいる途中にあとどれくらいだろう？　終盤まで来たかな？　と思って目次に戻るとまだ前半！　そこでおかしいなと思い文字数を見てみると４２万文字って……おい。

　実を言うと最初はそこで読むのをやめようかと思ったんだよね。でも続きが気になって気になって……結局最後まで読まされてちゃった！　面白かった！

　内容は高校生三人が謎のゲームに巻き込まれてタイムリープしちゃうって感じなんだけど、あんまりSFっぽい内容ではない。どちらかというと現代ドラマが好きな方にお勧め。

　とにかく人間関係や心理描写、風景描写も上手くて濃厚なものを読んだ！　って感じになる一作。少年少女の思いに、青春の痛みに胸が焼けつくような一作

■『だるま飼育日誌』（ホラー）えんぴつ堂さん作

「幼女と『だるま』にされた青年の奇妙な日常」そんなキャッチコピーに惹かれて読み始めました。悪趣味な感じですが、実は私、こういうの結構好きでして……(笑)

江戸川乱歩とか、そういうエログロ系も結構好みだったり。まあ、この作品はそんなにエロくもグロくもなかったですけど。どっちかといえばほのぼのして可愛い感じ？　いや、実際の光景を想像するとグロいんでしょうけど、語り主が幼女なので可愛いんですよ。それに非常に読みやすくってすらすらと一気に読める感じ。

　初めは幼女視点で話が進むので、細かいことはあまり分からないのですが、徐々に青年がだるまにされた理由だとか事件の背後が分かってくる物語構成も良かったし、金髪幼女のサシャは可愛いし脇を固めるキャラクターも皆コミカルで面白く、ラストも実に私好みでよかった！　あらすじで興味を持った方は是非読んでみてほしい作品。

■『優しいネットストーカー』（現代ドラマ）河東遊民さん作

　だれかがTwitterで「第二回コンテスト作品で読むべき作品を上げるなら『ひとりぼっちのソユーズ』か『やさしいネットストーカー』だ」とつぶやいているのを見て「何ぃ⁉　そんなソユーズに匹敵するぐらい面白い作品があるのか⁉」と読んでみたのがきっかけ。

　２２歳大学中退で無職。そんな人生を悲観し死のうとまで考えていた主人公が出会ったのは辻沼さんという高校時代の同級生。彼は辻沼さんをストーカーし始めるが……というお話。

　はじめはそんなに興味を惹かれなかったんだけど、読んでいるうちに辻沼さんの彼氏をストーカーする清水さんという女の子が出てきてそこから話は面白くなっていきます。二人の会話がなんだかコミカルで読んでて飽きないんですよね

　そしてラストの展開は……なんというか、奇妙な読後感がありますね。普通の恋愛漫画やドラマなんかとは違った感じで妙に心に響く余韻があります。読んでいない方は是非読んでみてください！

■『右カウンター赤道より』（現代ドラマ）

　週間ランキングで長いこと一位にいた作品で、読んだ人たちが皆「すごい」「ヤバい」「熱い」と語彙を無くしていたので、どんだけすごいのかと読んでみました。

　ストーリーは、インドネシアでボクシングジムを営むぐうたらな３３歳、ロニーがランキング１位の薮田と戦うことになり、主人公のアキラはその練習相手になることに……という話。

　赤道直下、インドネシアのむせかえるような熱気がむんむんと伝わってくるような文章。思わず外国旅行しているような気分になります。ロニーとアキラの友情もアツい！　エルミも可愛い！そして見どころは何といっても第四章でしょう。試合描写の疾走感、熱量がヤバい！情景が目に浮かび、自分もリングサイドにいるんじゃないかと錯覚するような手に汗握る戦いが続き、引き込まれました。

みんなが「すごいすごい」言うのが分かる気がする……これは、本当に「すごい」「ヤバい」小説。ボクシングや格闘技に興味のない方も、ぜひ読むべき作品。

　いや～今回現代ドラマジャンルはすごいですね。ミステリーと合体したからなのかもしれないけど、マジで濃いのが多い。読み応えがあるのが多いと思います。

さて、第二回コンテスト終了まであと１１日くらいしかないけど、フォロー作品２０作以上あります（白目）時間はないけど……がんばる！！　参加者のみんなも頑張って！！　次回に続く！！　