面白いって······何?
さて、「ウケるのは面白い小説だ」「面白い小説を書け」と結論付けた私でしたが。今回はじゃあ面白い小説とはなんぞや? っていう話。
結論から言うと、それは人によります。
いやいや、何の結論にもなってないから! って突っ込みを入れる読者さんもいることだろうが、まあ聞いてほしい。
こんな話があります。
ある人が新人賞へ原稿を送ったんですが、その新人賞は応募者全員に評価シートを送ってくれる賞で、その人の元にもAさんとBさん、二人の人が批評してくれた評価シートが届いたのです。
ところが評価シートに書かれた内容を見てみると、Aさんは「物語の前半は面白かったが後半失速した。後半を書きなおすべき」と評価したのに対し、Bさんは「前半はつまらなかったが後半から面白くなってきた。前半を直すべし」と評価してきたのです。
それを見たその人は「他人の評価なんてあてにならない」と思ったそうな。
まあ確かに、公募に受かるにはおそらくAさんとBさんの両方から高評価を得なくちゃいけないのに、AさんBさんの評価が矛盾していたらそれはどうしようもない。
でもWeb小説ではどうだろうか?
例えAさんが「つまらない」と思った作品でもBさんが「これはすごく面白い」と思ってくれて、他にもBさんと同意見の人が沢山いたらそのWeb小説は人気になる可能性があります。
だからそういう場合はAさんBさんどちらにもウケようとするんじゃなく、どちらか片方に思い切り寄せてみるのも手だと思います。
今、人々の趣味嗜好は多様化し細分化しています。かつて大衆受けしないと思われていたものでもネットの口コミで広まる時代です。
万人受けしなくても、少数派のハートをがっちり掴むことがヒットに繋がると私は思うのです。
要するに何が言いたいかというと自分のターゲットになる層を明確にし、そちらに寄せて行けということ。
読者の顔を思い浮かべて書けばいい、とある人は言いました。
自分の中にいる架空の読者の顔を思い浮かべてその人に向けて書くのだと。
親兄弟でも、友達でも、自分の作品をよく読んでくれる特定の読者やフォロワーさんでもいい。
その中でも1番趣味嗜好が分かっている読者はやはり間違いなく自分でしょうね。
自分がおっさんなのに「女子高生にマックで読んでもらえるような小説にしたい!」と意気込んでも、人によってはできるでしょうが難易度は高いと思われます。
その点まずは自分がおじさんだったら自分と同じようなおじさん層をターゲットにした方が手っ取り早いし共感も得られるはずです。
「自分が面白いと思う小説を書け」というのはそういうことだと思うのです。
ただし、間違えてはいけないのはこの場合の「自分」というのは作者としての自分ではなく読者としての自分だということ。
そして読者としての自分の嗜好を知るためには沢山の小説、それもweb小説を書きたいのであればweb小説を読む必要があると思います。
とりあえず、カクヨムで適当に短編でも探して何作か読んでみて、それが気に入ったらなぜ気に入ったのか、どこが良かったのか書き出してみよう。
例えばどんな書き方の文章だったのか。「サクサクとテンポよく読めた」だとか「描写が繊細で美しくじっくり読めた」だとか。
あるいは作品からどんなメッセージを受け取ったか。「エンターテインメント性が強くて爽快感があった」とか「強い社会批判を感じた」とか「感動で胸がしめつけられた」「どんでん返しが上手くあっと言わされた」だとか。
作者がどういう意図で書いた物語で、自分がそれをどう受け取ったのか書いてみるといいでしょうら、
作品の内容だけではなく、作品の書き方にも好き嫌いがあります。
例えば私はweb小説を開いてみて一ページ目が会話文ばっかりだったり見た感じがスカスカだったり、文頭の一字下げがなされていない文章だったりすると読む気をなくすことがありますら、
でも他の人に話を聞くと一ページ目を開いてみて会話文が全くなく地の文がだーっと続いていると読みにくくてブラウザバックする、という人もいます。
一話あたりの文字数も、私は3000字くらいが好きだが、人によっては1200字くらいが良いという人もいるし、5000字くらいがいい、もしくは1万字以上でも全然大丈夫という人もいます。そこも自分の好みで大丈夫だと思います。
そうやって何作品か好きな作品の気に入った部分を書き出して行けば、自分の趣味嗜好が分かってくることでしょう。
そうしたら今度はそれを元に自分でも、読者としての自分が好きそうな小説を書いてみればいい。
他者の好みを想像するよりも自分の好きなものを書いた方がずっと楽なはずです。
そうすれば面白い小説が書ける......と言いたいところだが、自分でも面白い小説が書けているかは保証できません。
いや、自分では面白いとおもってるけどね?笑
そこはやっぱり、面白いかどうかは人による! ということです。
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