4.三点リーダ(…)とダッシュ(―)は二つセットが基本?

 カクヨム内にも「小説書き方講座」的な作品が少なからず投稿されているようです。そういった講座系の作品で必ずといっていいほど取り上げられるものの中に、三点リーダ(…)とダッシュ(―)の用法があると思います。共に「省略」や「無音」、「時間経過」を表す際によく使用されますね。


 殆どの場合、三点リーダもダッシュも「二文字一組で使用する」と解説されている事が多く、実際に多くの媒体では「……」や「――」のように表記する事が推奨されています。


 ですが、近年のライトノベル等では、

「――――――っ!」

だとか

「……………はっ! 寝てた」

だとか、三つ以上を組み合わせて使う例も多く見受けられます。


 元々、「二文字一組で使用する」というのも出版上・印刷上の慣例やお約束から生まれた用法らしいのですが、近年はライトノベルに限らず上記のように三文字以上を連続して使用する例を、多く見かけるようになりました。恐らくはアドベンチャーゲーム等で、文字数で「間」を表す時に使っていた演出がそのまま出版・小説界にも輸入されたのが始まりだと思いますが……確信はありません。


 どちらにせよ、ライトノベル業界などの比較的「軽い」文章が重宝されるジャンルでは、頑なに「二文字一組」を守っている例も少なくなってきましたので、あまり肩肘張らず自由に使った方がいいのかもしれません。


 ※(追記)そこそこ古い小説でも、三点リーダを奇数で使っている、「‥(二点リーダ)」を使用している等の用例が見受けられます。他媒体からの流入、というよりは昔に戻ってきているのかもしれません。


 とはいえ、あまりに多用すると装飾過多になってしまったり「『――』ばっかりつかってごまかしてないできちんと描写しろよ!」等と言われてしまうかもしれませんので、ご利用は計画的に……。


 なお、その昔のWEB上では、ダッシュをハイフン(-)で代用していたり、三点リーダの代わりに中黒(・)を三つ組み合わせて使用している方を相当数お見かけしました。単純に間違えて使用されている場合も多かったのですが、当時のMicrosoftの日本語変換システムがうまく変換出来なかったから仕方なく代用していた、なんて悲しいお話も……。

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