第6話 終われない物語

 その日の朝は突然の事態に見舞われた。

 登校中の男子生徒が所持していた折りたたみ式ナイフで自殺を図ったのだ。

 すぐさま駆けつけた救急車に運ばれたが、彼の目論みは見事に成功し帰らぬ人となった。

 まったく、迷惑な話だ。

 おかげで学校は休校となり、あたしは暇を持て余すことになった訳だ。

 いや、暇を持て余すという表現は適切ではない。

 何故ならあたしにはプロとして全うしなければならない使命があるからだ。


 ―――心霊カウンセラーとしての使命が。


 まあ、あの事件には、件の幽霊ちゃんが大いに関係しているという目星が一応はついている。

 後は、助手を募らねばなるまい。

 だって、こういう人死にの解決には名探偵と助手が必要不可欠なのだから。


 助手はあの出来損ないで構わないだろう。

 ていうか、奴しかいないし。


 あたしは一つ頷くと、どうやってをやる気にさせるか考えることにした―――

 

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