第4話 途切れた物語

 この世界は腐っている。

 おれは心底そう思う。

 それだけでは飽き足らず、この世界はどうしようもなく歪んでいる。


 誰が世界をここまで腐らせ、歪めたのだろう?


 警官? 政治家? 教師? それとも―――

 心霊カウンセラーを自称するイカレポンチども?


 わからない。

 ただ一つはっきりしているのは、この世界はもう引き返しようがないステージまで行き着いてしまったということだ。


 だから、おれは革命を起こすことにした。


 『おれの世界』を覆すための革命を。

 制服のポケットに突っ込んだ右手に硬く握られた相棒折りたたみ式ナイフと共に。


 そのときは近い―――

 

 ねえ、どうして―――


 ………いま誰かの声が頭に―――


ねえ、どうして―――


   ねえ、どうして―――




                        ねぇ、どうして―――



               ねえ、どうして―――




「どうして、おれは―――」

 


 首が熱い、酷く熱い、とても熱い、熱い、熱い、熱い。



 頭が寒い。意味が分からない。とにかく寒い。


 暗い。ここはどこだろう。誰もいない。


 誰も、いない―――

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