絶望少女のドールシアター2
私はカエルちゃんの通ってる善導小学校に小学生になりきって堂々と潜入しました。
ついでにカエルちゃんの本名は、にしのしのちゃん。漢字だとたぶん西野志乃では無いかと思われます。
イマジンで――と言いたい所ですが、カエルちゃんが服に名札バッジつけっぱなしだったのでわかりました。
この近隣で名札バッジを採用しているのは善導小学校だけなのでここの生徒なのも間違い無いでしょう。
こんな防犯意識じゃ今後が思いやられますね。
さて当時は気付かなかったパラダイスを満喫しながらカエルちゃんを探します。
中々可愛い子で目の保養をしながらカエルちゃんを発見しました。
図書室で本を読んでました。
つーか星の王子さまを読んでました。
私のプレゼントの意味とはいったい? 高くてもソフィーの世界をプレゼントすべきだったでしょうか? まぁそれは現実世界に帰ってからでも遅くないでしょう。
「私も星の王子さま大好きなんだ」
カエルちゃんがビックリするのも可愛い写メりたいけどさすがに小学生がスマホを普通に学内に持ちこんでるのは不味いので止めておきます。
「あ、あのごめんね」
カエルちゃんは首を横に振る。
「私ね。大杉みのりって言うの」
「西野志乃」
代行者だの何だの言ってた時の元気の良さが全くありませんでした。そうですね、すみれちゃんが幼女になった感じが、今のカエルちゃんですね。
「いきなり話しかけてごめんね。でも星の王子さまの話がしたかったんだ」
嘘は言ってません。私はカエルちゃんと星の王子さまの話がしたいんですから、ぶっちゃけ星の王子さまでなくても良いですけど。
「私はキツネになりますね。また明日ここで会おうね」
キツネは星の王子さまのお友達です。
キツネと星の王子さまは毎日少しずつ遭うことによって友達としての仲を深めていきます。
ようするにギャルゲーのキャラ攻略と一緒です。
ギャルゲーまで勧めてきた友人に珍しく感謝したい気持ちです。今の私ならどんな子でも落とせる気がします。
「うん」
「あと、私にオススメの本教えてください。実は星の王子さまぐらいしか本を読んだことが無いんです。もっと私にこの星の事について教えてください」
「それじゃ王子さまだよ」
「ほんとだね」
私たちは笑い会いました。
もう私この世界から抜け出したくない……勉強しなくても全問解けた。このままだと勉強せずに東大いけちゃいます。生きてる理由とかそんな馬鹿な事考える理由が無いぐらい人生バラ色。シナリオライター様ありがとうございます。
そう言うわけで、テスト後の女子高生と言えば、ファーストフード店でみんなでぐだぐだトークタイム!
友達と呼んでたあいつらと空気を読みながらの会話とかもうしたくない。だってケイは好き勝手言うのを美春がキッチリツッコミ入れてくれるし。私が無茶ぶりしてもケイも美春もキャッチしてくれます。
アドリブも許してくれるシナリオライター様、ありがとうございます、シナリオライター様
会話がこんなに楽しいだなんて私知りませんでした。
「そう言えば罰ゲームの話だけどさ」
ケイが神妙な顔持ちで話をし始めました。
罰ゲーム。
この中で一番成績が低かった人が自分の秘密を告白する。
そんな賭け事をしていました。まぁ好きな人を言ったりとか、子供の頃の恥ずかしい話とか、まぁそう言う話ですね。
美春が最初に言い始めたことです。
『ちょっとスパイスがあった方が面白いでしょ』
お茶目な笑顔を美春はしていました。大杉みのりとして出合っていた頃はものすごくお堅い方でその性格ゆえにストレスを貯めていると思っていましたから、このギャップ、萌えますね。
「まだテストの結果は帰ってきてないわよ」
「学年上位二人に私が勝てるわけねーじゃん」
「私には勝てないように教えていたけどメグには勝てるようには教えていたわよ」
「それ、ちょっと酷くない!?」
「まずメグが遊びすぎなのよ。テスト前に勉強してないアピールなんて小学生だって今時しないわよ」
「勉強と言うのはキッチリ気合を入れてやる時とやらないときのスイッチの切り替えが大事なんですよ」
ドヤ顔で私は語りました。本当は手が勝手に動いただけですけどね。人生イージーモード。
「あぁ実は私異能者なんだ」
そう言いながらケイは大剣を床に突き刺しました。
「奇遇ですね私は魔法少女ですよ」
と言いつつ私は変身しました。
「異能者ってけっこう周りにいるのね。私もよ」
そんな美春は特に何もしませんでした。まぁイマジン持ちなのは知ってるのでどうでも良いですけどね。
それから私たち三人はイマジンを使っての人助けを始めました。妄想にやられそうな人を何度も助けて、ドジした私を(キャロってチートキャラを使ってるにもかかわらず)美春やケイに何度も助けて貰いました。
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