第2話30年の時を超えて

冬休みが終わって学校に行くことになった。

上手く15歳を演じることは出来るのだろうか…


「おはよー淳也!」


田辺直己…こいつはいつから研究し始めたんだったけ…


「お、おう直己、お前理科って得意か?」

「そうだけど…お前知らなかったの?」

「あ、いや、か、確認だよ確認」

「てかお前…なんで手ブラなんだ?」


し、しまった…そうか、教科書やらなんやら

持っていかなきゃならないのか…


「あ、ちょっと家に取りに帰るよ」



-学校-

「すいません…遅刻しました。」

「新学期早々何してるんだ。座りなさい、」


えっと…席どこだ…あ、あそこの空いてるとこか。


「じゃあ授業始めようか。」


まずは受験で中林高校に受からなければ歴史が

ガラッと変わってしまうことになる。

不本意だが勉強するしかない。


「どう?勉強の方はがんばってる?淳也」

「お、まぁまぁだな」


柳田…こいつは勉強しなくてもいいもんな…

ってすっかり俺学生やってるし

ほんと勉強面倒くさいもんだ

30年前の俺はよくあんな頑張ってたもんだ。


「田辺、今日ちょっといいか?」

「なんだ?」



-田辺家-

「お前今なんか研究してるか?」

「まぁタイムマシンでも造ろう思ってるけど、勉強もあるし、学生には無理だよな。」

「造り方教えてやる」

「は、はぁ?」


俺は田辺に細かい作り方を教えてやった。

俺が40歳の時やつがタイムマシンが出来そうだってだけで電話してきて無駄に長い説明を聞いたのを思い出し、

なんとか説明してやった。


「どうだ、出来るか?」


当然田辺は固まってしまった。驚きが隠せないのだろう


「お前…すげぇな!勉強してたのか?これ!」

「あ、あぁ…」


やっぱりな…こいつが馬鹿なのか賢いのかわからない

タイムマシン造るくらいの天才なのだが

正直それ以外はただのアホだ。


「何年で造れる…?」

「まぁ10年かな?て、なんでだ?タイムマシンの構造がわかってるならお前が造ればいいんじゃないのか?」

「お前は天才なんだ。だからお前が造れ」


そう、こいつは天才だ。あいつはタイムマシンをたった3年で造り上げたやつだ。


「じゃあな、俺はここで帰るよ」

「あ、あぁ…」



もしあいつが遅くても5年で造るとすると、俺は20歳。

杉野をどう殺すかだ。

恐らく普通に殺すと、警察に捕まるだけでは済まない。

宇宙人が攻めてきて、日本が潰れるのが早まってしまう。やつの正体を政府に知らせる…

それしかないのか…


「た、ただいま…」

「おかえり。どこ行ってたの?」

「あ、友達の家だよ」

「そういえばあんた最近…」

「な、なんだよ…」


いやな予感がする…なんだ…


「あんた…淳也なの?」

「え…?」


なに…?ばれたのか…?

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