第15話 仕事終わってから

「ちょっとでいいから逢いたい」

「仕事終わってからすぐは嫌なんだよ」

「なんで!」

「汗かいてるし、シャワー浴びる時間くらいほしい」

「気にしないんですけど!」

「気になるんですけど」


 転職して2週間……疲れてるのである。

 手の抜きどころも、気の抜きどころも解らない8時間がツライ時期なのである。


 定時で帰り、シャワーを浴び出かける。


「今日はドコ行くの?」

「ファミマ!」


「コレ食べる?グレープフルーツ食べたい、から揚げ弁当好き?食べる?パスタにする?」

「なんでもいいよ」

(食欲ないし)

「すいませ~ん、予約していた桜雪ですけど……」

(あっ、また予約したんだ……俺、コンビニで予約って彼女が初めてだな~)

「あっ、こちらですね」

(えっ?おにぎり3個……弁当必要か?)

「と……こちらです」

(プリン3個?アイスも買ったよね、フラッペも入ってるよ、水ようかん持参してたよね)

「プリン食べ比べるの、新商品なの」

「まぁ、どうでもいいよ」


 水ようかん、一口食べて残りは渡してきた。

「鮭は食べれるけど、いくらは食べれない」

(なぜ、食べれないモノを予約するんだろう)

 弁当に行きつく前に、おにぎり2個(食べ残し)水ようかん(食べ残し)シュークリーム(ラスト一口)

「いや弁当要らなくない?」

「から揚げ弁当、食べたくなったんだもん」

「食べれるの?」

 ほら残した……。

「あのさ、コンビニ行くたびに3000円の買い物っておかしくない?」

「う~ん、小食だよね」

「いや、普通だって!弁当1個とおにぎり2個にデザート複数食うって変でしょ?」

「…………」


 どうにも、新商品とか食べたいものとか我慢が無いようなのである。

 自分で完食すればまだしも、一口食べれば満足するから困ったものである。

 私からすれば、コンビニの新商品なんてどうでもいいし、予約してまで食いたいか?そんなものが本音で、食いたくもない、興味もないものに、なんで俺は金払うんだ?

 という疑問が日に日に大きくなる今日この頃。


 から揚げ弁当、無理やり食べた翌日、実家のおかずは、から揚げでした。

(俺、こういうこと多い気がする……)

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