第14話 そして翌日……

 昨夜(13話)から14時間ぶりの再会である。


「ローソンに行く~」

「今日はローソンなの」

「うん、食べたいアイスがある」


「なんで無いんですか!」

 目当てのアイスが無いようだ。

 店員2名を従えて、ストッカーの前で軽くキレてる。

「新発売のコレですよ!」

(店員の知らぬものを、なぜ知っているのか……)

「これ買う、おにぎりにする?」

 レジで支払い済ましても不満気味であった。

「別のローソンに行く!」

「えっ?そんなに食いたいの?」

「食べたい!他のローソンはあるもん!この店が変なんだよ」


「ほらあったじゃん!」

 別のローソンにはありました。

(良かった、無かったらまた別のローソンとか言うに決まってる)

「からあげくん買う?」


「景色のいいところで食べたい」

 ある意味、本当の外食である。

 公園に移動して、車から降りるとき

「コレとコレと……」

「ピクニックみたいな量だね」

「そうだね……ウフフ」


 椅子に座って、大きなバッグから最初に取り出したのは

 昨日のケーキの食い残しである。

「なんか、犬の食い散らかした残飯みたいだね」

「うん……なんか崩れた」

「俺、思ったんだけど……俺が食うところ、スポンジばっかじゃない」

「うん……」


 つぎに出したもの

「昨日食べなかったパスタかい?」

 そう、私はあの後、下痢で苦しんだのである。

「ボソボソしてマズイんだけど……」

「ん?納豆あるから混ぜてみる、美味しいと思うよ」

「そういう問題じゃないと思う」

(あっ!もう混ぜてる……)

「ナニパスタなの?」

「あさり」

「貝、嫌いじゃ無かったっけ?」

「うん、嫌い」

「なんで、あさりのパスタにしたの?」

「風味は美味しいかなと思った」

「マズイね」

「そう?美味しくなったよ」

(俺、今まで食べたパスタで最悪かもしれない)

「冷凍庫で一回凍らせたからかな~」

(それだ!だからボソボソしてんだ!)


 もうこれでお腹いっぱいであった。


「はい、おにぎりとから揚げ」

「おにぎりデカいね」

「うん、ちょっと大きいね~」

「買うとき解ってたでしょ……」

「うん……でも食べて」


 彼女は、私がパスタとおにぎりに苦戦している間、でかいクレープをモグモグ食っていた。

 そして、スイカを食べ、お目当てのフローズンである。

 今日も、氷と生クリームばっか食ってるな~。

「クレープ美味しい~」

「スイカ好き~」

「フローズン……いまいち」

(あんなにキレた目当てのフローズンがダメなの……)


「なんか、7割がた……不本意な食い物でお腹いっぱいになったんだけど……」

「う~ん、今度はケーキ控えるよ」

「あのさ~、思うんだけど……今日もコンビニで3000円以上使ったじゃん」

「うん」

「3000円あれば、定食2つ食えるんだよね、そっちのほうが良くない?」

「う~ん、デザートがないからな~」

「あのさ、食事の順番も、なんでケーキが最初にくるかな?普通デザート最後じゃない?」

「そうかな~、アタシいつも最初に持ってきてくださいって言うよ」

「うん、言わなきゃ最後になるからでしょ、コースだって最初にデザートこないでしょ」

「でも、少しずつ、ごはんも食べてるよ」

(この娘が、ちゃんと食事を摂れる日は遠いな~)


 彼女と別れて、帰宅後。

 今日も下痢でした。

(絶対、ボソボソネバネバのパスタだよ……)

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