第8話 フランス料理予約した
お土産を持って、彼女を迎えに行く。
「あのね、今ドコ?予定が狂ってね、早く来れる?」
夜に行く予定であったが、同僚とも早めに別れることになって時間が空いていたので好都合であった。
(解らない方は、『通』9話を先にお読みください)
「逢いたかったよ~、ナニ買ってきたの?」
「色々買ったよ、食べたいもの食べてね」
「うん♪」
「楽しかった?」
「あぁ、いや、同僚のオヤジさんが……万引きしたってさ……なんか帰り辛かった」
「えぇ~、事件だね」
「ちょっとした事件だね……」
「ねぇ、写真撮った?
「それがね、
「えぇ~、無いの見たかった~、でも昔、自分の写真バラ撒いてたんでしょ」
「自ら拡散していた時代もあったんだけどね~」
「あのね、夕食予約したの」
(フランス料理……)
「ここ来てみたかった」
「そう」
「コレ食べてから入る」
千疋屋のマンゴーシュー。
「ナニこれ!美味しい!メロンみたいだよ!美味しい!……でもシュー生地はイマヒトツ……」
「なっ!美味いだろ!」
「コレも食べる」
「カツサンド美味しい!」
(良かった……固形物食ってる)
フランス料理……うん……こんなもんだよ……。
実はフランス料理、あんまり好きじゃない。
値段と内容が合わない場合が一番多いのがフランス料理だと思っている。
「なんか、こういうお店似合うね」
「そう?」
「慣れてる気がする」
「ワインの講習会に何度か参加していたせいかな」
「コンビニ行く、スィーツ買う」
「これだけあるのに……」
「新作がでてる、セブンとローソンとファミマ」
(3件回るの……)
「じゃあ、とりあえずローソン」
「このアイス初めて見た」
(買うんだね……)
「明日、セブンにする?」
(あぁ明日も逢うんだね)
「鍋って買える?」
「どういうこと?」
「コレ作ろうと思って、明日一緒に食べようと思って」
冷し中華。
「鍋持ってないの?」
「うん、料理することないと思ってた、IHの使い方も解らない」
「お湯沸かして、麺を湯がくだけだよ」
「…………」
(自信ないようだ……)
「食べさせたいんだよね、手料理」
(これを料理と呼ぶか……)
甘やかしすぎ?……そうかもしれない……。
「今日は大変だったから、明日は軽く済ます」
多少は私の事情も考慮しているようである。
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