第6話

グオォォっと目の前から

真っ黒い影が大きな口を開けた化け物が

襲いかかってきた

驚いてネハルは尻もちをつき倒れた


「ひゃ!?」

「…よーく覚えとけネハル、罰は軽いもんじゃないんだ」


響にそう言われ気づくと足を引っ掛けられ尻餅をついた

真っ黒い影はネハルの顔ギリギリまで近づきピタリと止まっていた


「っ!?」


化け物の涎がネハルの頬に垂れた


「祓え狛犬様!」


ワオーン!と二匹の狛犬が叫ぶと

口を開けていない狛犬が口を開け真っ黒い影を飲み込んだ



「まったく」

「あ、杏ちゃん」

「勝手な行動するからよ?」

「響さん」

「どうした、いばら」

「エロ本みつけました」


しかも、今月の限定付録がついているやつです!


「いばら、お前も馬鹿にしてんのか?」

「いてて、響さん俺の頭握り潰すおつもりで?」

「お前は死なん!」

「馬鹿ね男って」

「…」

「大丈夫」


ポンポンとネハルの背中を叩いてくれた杏


「うん」

「皆でなら罰は怖くないわ」


杏はニコリと笑った


すると

モワッと霧が現れ

気づくとネハル一人だった


「響さん!いばらさん!杏ちゃん!」


バラバラにされた


「探さないと!行くよ雪猫!」

「わかってるわよ」







ー 第一校舎 ー


「ちっ…バラバラにされちまったか」

「ググググッ」

「何が可笑しいんだよ?あ?」

「響さん、ご機嫌斜めですね」

「あぁ」


最高なぐらいご機嫌がわりぃわ

突然現れた悪霊に当たった


「この野郎が!」

「ぐがぁ!」


痛い

痛いよ!

ウワァァァン!


「え?ガキ?」

「しかも不幽霊だし」

「な、なにすんだよ!おっさん!」

「お、おっさん!?ガキこそ何してんだよ、良い子はさっさと帰りやがれ」


人間の癖に!

また黒い物を まとうと

狂ったように響に突進してきた


「グォォ!」

「祓え、嚮鬼 きょうき!」


うわぁぁっ!


鬼が現れ火を吹くと もやを祓う



「あーち!あちちち!」

「んで?僕、その黒いの誰からもらったの?」

「誰がいうか!くそじじぃ!」

「響さん、早く天国に送りましょ」

「わ、わかった!言うから!だからまだ逝きたくない!」


よろしい…といばらが男の子の頭を撫でた


「理事長室に居る怪物」

「理事長室か、第二校舎だったはず」


響といばらは理事長室へと走って行った


「あ!待てよ!僕も行く!」


男の子は響といばらを追いかけて行った


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