第28話 暴走? part4

椛(ロスド)は今魔王領に入り、魔王城に向かった。

ロスドは向かっている途中で発音の練習をして、普通に話すには良いぐらいになった。


椛の姿をしたロスドを見た魔王領の者達は、何事かと思い魔王城に行く者もいた。

ロスドは魔王城の城門まで来たら、門の前に降りて

ロスド「我は魔王の根元、邪神のロスドである。我が娘である、リニエ・サイス・クローディアに会いに来た。ここを開けよ!」

ロスドは己の魔の力を出し、周囲に自分は強いぞ的なことをしていた。


ロスドは気付いてないが、ロスドが発している魔の力は普通の者なら失神しているほどの量である。


そして、この門は魔の力に反応して開くシステムになっているため、自動的に開いた門をロスドは平然と入って行った。

それから、門の近くに居た者はほとんど、気を失って倒れていた。


そして、門を潜ったロスドは魔王城に入り、謁見の間に案内された。

謁見の間まで案内をしたのは、魔王城のメイド長兼軍師のスーシィー。


謁見の間に入る扉を開けると、黒と赤と青を基調としたドレスを着て待っていた、リニエが居た。

リニエは力こそあるが、そこまで周りに当たらず、人族とも良好で今は小競り合い程度だそうだ。


リニエ「久しぶりでございます。ロスド様。」

ロスド「ああ、久しいな。リニエ。」

2人がいるだけで、失神してしまう者が結構いるが、2人はそんなことはつゆ知らずという調子で、見つめ合っていた。

リニエ「・・・・・・・」

ロスド「・・・・・・・」

リニエ「・・・チラッ」

リニエはロスドの後ろに入るスーシィに目配せをし、他の者を下げた。

今謁見の間に居るのはリニエ、ロスドの2人だけ。

リニエ「・・・・お父様、お帰りなさいませ。本体はこちらにありますので、付いてきてください。」

リニエはロスドに恭しく礼をして、亜空間を開き、その中に入って行った。

それに続くロスド。


亜空間に入って、2秒が経った。そしたら、明かりがないと周りが見えない空間に出た。

そこには上品なベットにその上で寝ている者があった。

寝ている者でも、呼吸もしていない、脈もない。生きているかどうか分からない状態である。

ロスドはその体を見ると、椛の体から1つの魂みたいのがふよふよと浮いて、その体に入って行った。

魂が入ったその体は呼吸も脈もないのに、何故かこれは生きていると分かる。

そして、魂が入ってから、1分後、その体が起き上がった。

ロスド「・・・久しぶりの体だ・・・懐かしい。」

リニエ「一様、何も手は加えてませんが、大丈夫でございますか?」

ロスド「ああ、だが、中々感覚が分からないから、少し運動をしてくるよ。」

言うのが早いか、ロスドの体がブレてその体は何処かに行ってしまった。

リニエ「・・・お帰りなさいませ。御主人様。」

その呟きは亜空間の中に吸い込まれていった。

リニエ「・・さて、この体はどうし」

椛「・・わぁ~あ。お、もう終わったのか。じゃぁ、帰るかー。」

リニエ「・・・あなたは誰ですか?」

椛「・・・魔王・リニエ様。俺はただの一般人B、ですよ?」

続く

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