第15話 椛の過去

椛「よし、2人も報酬を受け取ったね。」

エレオミ「・・・・ねぇ、こんな時にこんなこと言うの可笑しいと思うのだけれど、あなたの過去を聞いてもいい?」

メディ「それは、私も気になりますね。先ほどの目は普通の生活をしてできる目ではありませんから。」

重玄「我も少し気になるな。話してくれんか?」

椛が2人を褒めている中、ボスの4人とエレオミが近づいて、椛の過去を知りたそうに見つめている。

椛「・・・・・・ここは誰も来ないよな?」

メディ「・・はい、ここはボス階層ですので、他の者は来れません。」

椛「・・・そう、か。・・・・なら少しだけ話すか。・・・・今から大体3年ぐらい前にかな?」

過去話

今から3年ほど前、俺は普通の、本当に普通の一般人だった。3年前だから、大体中3年生の時に高校に上がるための試験の合格発表があった日の夜だ。もちろん、高校受験は合格。同じ学校のやつと見て、そのまま俺は両親と帰った。そして、その夜事件が起きた。簡単な話、夜中の2時に謎の男が庭の窓から入ってきて、両親はその男に殺された。俺はその時、親の悲鳴と、誰か分からない声が聞こえて、嫌な予感がしながら、居間に向かった。居間と親の寝室は隣り合わせだから。そして、俺が見た光景は、父親は無残に切り殺されて、滅多刺しだった。母親は少し離れた場所でおびえながら、謎の男に抵抗していた。俺は姉(楓(かえで))を起こしてから、謎の男を蹴っ飛ばした。その時は憤りと戸惑いが入りじまった中だったから、今でもそんなことをよくできたなと思った。火事場のなんちゃらで男は庭の窓まで吹っ飛び、悶えていた。俺は周りが暗かったので、電気を付けた。そしたら、母親もなぜか死んでいた。その時、母親のお腹に赤ちゃんがいたから、結構堪えた。そして、姉の悲鳴が聞こえて、振り向いたら、姉が謎の男の協力者に捕まり、人質になっていた。地面で悶えた男は立ち上がり、へらへらした顔でこっちに近づいて、殴りかかってきた。俺は姉の方を見ていたので、それに対応できずに、グーパンで顔に直撃、家の中に飛んでいき、居間に置いてあった、テーブルに背中をぶつけた。結構痛かった。当たる部分が少ないからな。そして、姉は俺の名前を叫んでいた。俺はここで何かが吹っ切れたような気がした。姉のことも気にかける余裕もなくなったかのように俺は殴り飛ばされた男を見て、「殺してやる・・・」そう言った。そうして、俺はテーブルから起き上がり、家に入り込もうとしている男の顔を掴んで、コンクリートに頭をぶつけた。顔を掴んだ瞬間俺は飛んで、全体重と勢いに任せて、頭をぶつけて、ほとんど原型が残らないほどまで破壊した。この時は罪悪感はまだなかった。そして、姉を掴んでいた男は怯んで、「あっ・・・」と呟いたら、姉の首を切っていた。姉は少し無念そうな顔をして、体が人形のように、落ちた。その時俺は泣いていた。そして、「殺してやる殺してやる・・・」それを言いながら、姉を切った男までより、頭をボールのように蹴った。男は顔から、鼻血を出しながら、倒れた。俺はその時まだ生きてると思って、男に近寄ろうとしたが、周りを見てみると、警察のブザーや救急車のブザー、近所の人たちまで来た。その時に俺は、罪悪感に支配されてしまった。

それから、頭の中にこんな声が聞こえた。

「汝、復讐を成し遂げた、それでも人を呪うか?」

まるで、子をあやす様な声で今でも覚えている。なぜ、その声はこんなことを言うのだろうとその時思った。俺は目の前で殺された家族の復讐を1人殺り、1人は気絶、そろそろ絶命させたい気持ちがあった。

「汝、人を殺す力が欲しいか?それとも、」

「こんな運命にした神を殺す、力が欲しいか?」

俺は、この男を作り上げたのは世界だとその時考えた。そう考えた俺に選択は1つしかなかった。

「ああ、俺はこの運命にした、神を呪い、殺したい。その力を俺にクレ。」

俺はその時、神を呪った。その時の声がたとえ、神だとしても。

それから、力を得た俺は、まず、神の従者である、人間どもを殺すことを考えた。

力の使い方はまるで、頭の中にあったかのように、体がついて来た。

それから、世界の人口が6割減になるまで、世界各国を落とし、人々から殺人鬼など、死神など呼ばれた。目に入った、人間はもちろん、神社や教会は徹底的に破壊した。巫女やシスターなど、形を残さぬように粉々に圧縮して、潰した。悲鳴など、あまり聞きたくなかった。俺は臆病者だから、そう言うのに弱いのだ。

神父とかよく、なぜそんなことをする、と言ってたな。神は導くものだが、最悪の事態に招くこともある、そればかり信じていた。食料とかは、人の血、だ。力を使う代わりに極度の吸血をしなければならない呪いの体になった。だから、この体に不老不死のスキルなど、罪を重くする、枷なのだ。それから、大体、2か月前に日本に久しぶりに帰って来たのだ。そして、家があるであろう場所に行った。

海を渡ったので、少し遠い気がするが大丈夫だろうと、思いながら人目に付かないように、帰って行った。その途中に大学を見つけたから、ちょっと寄ってみた。

その大学では魔法学と呼ばれる学科と魔工学があった。見学ができないか、少し侵入したら、整備が凄過ぎて、捕まりそうになったな。何とか脱出はしたが、いつの間にか服に魔法発信機が付けてあってな。俺が神の力を得たことによって、世界の理が覆された。だから、他世界からの魔法という非科学的なものがあの大学に流れた。あの時にはもう復讐心何てなかった。晴れ晴れしたよ、あそこまでやれば、神も何もできまいと思ったからな。でも、それは誤りだった。ここまでしたから、人間は神の祈りを強めた。話を戻そう、魔法発信機が取り付けてあったところからか、そこから、理事長と名乗った女に「私の大学に入らないかね?」と言われたよ。馬鹿馬鹿しいとも思った。俺がやったことは自分の感情に任せた、ことだから、なぜこんな勧誘が来たのかが、分からなかった。その後に大学に堂々と入り口から入り、勘で理事長室まで歩いた。周りからは、我先にと、攻撃魔法を使ってきたが、全部跳ね返して、理事長室前まで来た。周りから畏怖の念と恐怖のまなざしを受けた。慣れっこだったから、無視してやった。理事長室にノックして、「入りたまえ」そう言われたから、足でドアを蹴って入ったいさ。正面に立派な机に理事長らしき女がいた。

「やぁ、来たね。返答はYESでいいのかな?」

ニコニコした仮面の顔でこちらを見ていた。

椛「いいけど、俺に何のメリットがあるんだ?理事長先生?」

理事長「うーん・・・君があの殺人鬼だと分かるとぞくぞくするけど、普通の人間なんだね。」

椛「普通の人間があそこまで出来たら、世界は終わってるよ。それより、質問に答えろ、理事長」

理事長「・・・・理事長ではなく、名前で呼んでほしいな」

椛「・・・・は?俺はあんたの名前は知らんぞ?てか、ここって東京だよな?」

理事長「ああ、ここは埼玉だ、今は東京と呼ばれる様になったがな。あそこまで東京を破壊していて、何を言う・・・・私は中田咲夜、本名だ。これでも25歳だよ?」

椛「・・・子供かと思ったけどそうか。って、あれ?埼玉県?俺、中国からこっちに来たと思ったんだけど。」

咲夜「まぁまぁ、それはいいとして。うちの学校に入ってくれないか?学費と学食費、その他諸々はこっちで支払おう。どうかね?」

椛「・・・俺は人と接することが恐いから、あまり普通の人と接したくないな。」

咲夜「普通じゃなければいいのだな?・・・「こんこん(ノック音)、理事長先生、何でしょうか?」入りたまえ」

?「はい、失礼します。」

そこで俺はありえない物を見たような眼差しをした。

椛「・・・おい、咲夜。どういうことだ?魂は偽ることはできるが、死者を復活など、俺と同じことをして、いいのか?」

そう先ほど入ってきたのは、俺の姉、颯来樹楓だった。死んだはずの姉は生気はあまり感じない目、死んでいるかのような白い肌、そして、白髪。しかし、顔立ちは変わらず、首には切られたような跡、完全に姉だった。

咲夜「普通じゃないのならいいんだったら、彼女が適切だろう。彼女は魂はもうあの世だが、偽りの魂を作り、体を動けるようにしてある。記憶はないが、この大学で生徒をやっている。どうだ?適切だろう?」

椛「・・・・・・いいだろう、その条件、飲んでやる、が、もう何個か条件を付ける。まず1つ、俺は大学の勉強はできないから、何か部を探して入る。楓も一緒に入ってもらう。2つ目、俺達に危害を加える輩はすべて、俺が殺しても、一切の責任を問わない、3つ目、俺に一切の勉強、及び提出物、テストはやらない、しないを許可しろ、4つ目、俺は住む場所がないから、寮とか、家かどこかを借りる、これがいいのなら入ってもいい。これじゃぁ、脅迫、大学の学がねぇな・・・( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。」

咲夜「確かにな、それならいいだろう、では、秘封部入ったらどうだ?そこの2人も普通じゃないはずだ。」

椛「・・・・突っ込みたいがいいか?」

咲夜「・・・気持ちは分かる、が、我慢してくれ、私も最初は冗談かと思ったんだが、現実にいたとはな、笑える話だ」

椛「ああ、それもあるが、ここの魔法学と魔工学、の教授リストもお願いできるか?、何となく、あの2人がいるなら、あの人たちも・・・と思うんだが?」

咲夜「・・・・察しがいいやつだ。ああ、いるよ。あとで持っていくから、ソファーで寝てな。」

椛「ああ、サンキューな、ふぁあ~・・・ここ何年か寝てないから、ネミー・・(つ∀-)オヤスミー」

椛はそのまま、横に大きいソファーに横になって、眠った。

咲夜「・・・何年か、寝てない・・・か。そこまで自分を追い詰めて何をしていたんだが、椛。」

それから、俺は大学生活を送って、あとはお分かりの通りです。ん?1話で出た幼馴染はどうしたかって?その後に知り合ったのさ。


現在

椛「という、お話でした。おしまい。」

椛が話を終えて、周りを見ると。驚愕していた、エレオミを除く6人は驚愕の表情をしていた。エレオミはなぜか涙を流していた。

メディ「・・・話を振っておいて、これを言われるのはちょっと複雑な気分ですわね。」

重玄「・・・そうだな、すごく複雑な気分だ」

椛「ま、今はそんな過去より今、だろ?こんな過去に縛られてちゃ、俺は生きていけないよ。過去の酷い記憶を呼び起こして、味方にするスキル何てあったとき何てどうしようもないしな。」

そんなスキルあるけど、さすがに使いたくないわこいつだけには。

椛「さて、そろそろ、ダンジョンを壊すから、転移するぞ~」

エレオミ「え?これ、壊しちゃうの?」

椛「ああ、ボスもいないし、いずれ兵や冒険者が来て攻略しに来る。ボスがいないんじゃ、不思議に思うだろう。なら壊して、逃げればいいって話」

メディ「そう、なら私たちはさきに帰るわね。こんな話されたからには、今度何か困ったら、教えてね。」

椛「ああ、そうさせてもらう、さて、ダンジョン・破壊」

椛はダンジョン権限で破壊し、俺たちは転移を使って、脱出した

続く

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