花束のように

黒梅「じゃあ、早速見せたい所があるんだ!」


ミカエル「?」


黒梅「あ、連いて来て。」


静かに外に出た。そしたら黒梅は先程まで見てなかった翼を出して空を飛びだした。

ボクも翼を羽ばたかせながら黒梅に問いかけた。


ミカエル「何処に行くの?」


黒梅「もうちょっとで着くから連いて来て。」


と言いルンルン気分な黒梅。

本当に何なんだろう?


黒梅「あっ!着いた!」


よく分からないけど花畑に着いた。


ミカエル「何故ここに連れてきたの?」


そう聞いてみたが、返事が返ってこなかったから後ろを向いたら、花を摘んでいた。

顔を覗き込んだら、花を見せながら聞かれた。


黒梅「この花何か分かってる?」


ルビーのような赤い花びら。甘い香り。


ミカエル「赤いガーベラ。花言葉は「神秘」。」


黒梅「知ってたんだ。じゃあこっちは?」


さっきとは全然違う色、深海のように深い青い花びら。さっきのガーベラより香りが強い。


ミカエル「青い薔薇。花言葉は「夢かなう」、「不可能」、「奇跡」、「神の祝福」。」


黒梅「正解!こっちは?」


見せてきたのは四つ葉の森林のような緑色の葉。


ミカエル「四つ葉のクローバー。花言葉は「幸運」「私のものになって」だよね?」


黒梅「こっちも知っちゃってるか~。じゃあ、これは?見つけるの難しかったんだよ。」


束のようになっている紫の小さな花。


ミカエル「紫の紫陽花。花言葉は「辛抱強さ」とよく言われる。」


黒梅「これも分っていたのか~。一応難しい奴だったのに。じゃあ、これは?これは高速で買いに行った。」


大きくて黄色の花。元気な花だと分かった。


ミカエル「黄色の向日葵。花言葉は色々とあるけど、基本は「私はあなただけを見つめる」「愛慕」「崇拝」だ。」


黒梅「これ一番簡単な奴だよね。これで最後。」


ピンクの綺麗より可愛い系な花。それの色違いの赤い花も見せてきた。


ミカエル「ピンクのチューリップ。花言葉は「愛の芽生え」「誠実な愛」。赤いチューリップ。花言葉は「愛の告白」。」


黒梅「全問正解!本当に詳しいね!」


ミカエル「これ位、どうってことない。天使全ては花の区別と花言葉を知らないと中級にもなれないんだ。」


黒梅「何それキビシっ!?」


ミカエル「しょうがないことだよ。だけど、これに何の意味があるの?」


黒梅「ちょっと待って。」


と言いながら花でなんかしていた。ボクに背を向けていたから見えなかった。

そしたら、


黒梅「はい!プレゼント!」


と言い、ボクにさっき見せてくれた花で花束を渡してきた。



ドクン

ドクドクンドクッ



「ほら。あげる。これの花言葉分かったら返事頂戴。」



ドクン




ミカエル「?」


黒梅「?どうした?」


ミカエル「いや?なんか見たことがあるような、違うような感じ?」


黒梅「これあげる!意味が分かったら返事待ってるね。」


と言いながら笑っていた。




笑う

わらう

ワラウ




と思っていたら、黒梅が驚いた顔をした。

何で?

そしたら肩を捕まれた。


黒梅「笑った!初めて俺に笑ってくれた!」


ミカエル「笑う?これが笑う?」


顔に手を近づけたら,口の角度が上がっていた。


ミカエル「ボクは今笑っている。」

















「私をこれ以上守らなくていいんだよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る