第12話 真、頼まれる

人間、贅沢をすればするほど贅沢になり、元に戻れないらしい。


「はぁ、今日も、簡易食糧コンパクトフードか……」

「艦長、この時代にまともな食料を食べてる人のほうが少ないですよ。土地があるなら畑よりもビルを建てますから」

 ごもっともだ。今、第二次人口爆発と呼ばれる現象が起こっており、居住区が少なくなってきている。

「はぁ、鯛が食べたい……」

「やめてください。食べたくなります。」

「鯛なんて今の時代相撲くらいでしか見ないもんな」


と、どんどん暗い会話になる。

「漁ができる海も少なくなってきました」

「ああ」

と、さらに暗い話になっていた所に

プルルルル、

と電話の音。

「はいもしもし、おおせとです」

≪艦長はいますか?≫

「はい、私でございますが。」

≪私は、内閣府の桶本という者だが、重要な話があって……

________________________________


「隊員、全員集合しているか?」

「はい」

「よく聞いてほしい。実は、この船のレストランで≪世界食糧組合のサミットを開くことになった」


ザワザワ

「質問があるもの?」


「ハイ」

「知樹、なんだ?」

「具体的に何をするんだ?」

「俺たちはいつも通り営業するだけだ」

「そうか」


「皆、話が急ですまないが、俺たちは平常通り営業するだけでいい。異論のある者

?」


「「「「「「「「「異議なし」」」」」」」」」


さて、取り決めたのはいいが、何の料理を出そうか……

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