第4話 真、漁に出る

時刻は午前四時を過ぎた頃、俺は声高に宣言した。

「諸君、本日は我が艦船にとって、記念するべき日である!!気合を入れて業務に励むように!!」

「「「「「「「「「了解!!」」」」」」」」」

業務と言っても、2~3日日本近海で漁をするだけである。

       およそ四時間後

「これより、餌をまく!!ヘリコプター部隊、出撃せよ!!」

ヘリコプターで餌をまくとか贅沢すぎる、とか思うかもしれないが、新エネルギーのおかげでコストはほとんどかからない。

「餌の散布開始!!」

餌をまいていると、遠目に見ても多くの魚が集まってくるのが分かる。作戦では、餌をまいて、まず鰯などの小魚を呼び寄せる。それを追ってマグロ、カツオなどの中型魚も来る。それをめがけて大砲で網を発射して、巨大リールで巻き上げる。

「艦長、中型魚が集まってきました!!」

「よし、網の発射準備!!」

餌をまいてあまり魚をおびき寄せ続けると、カツオ、マグロを追ってサメなどの魚が来るかもしれない。だから早めに網を打つ。

「3、2、1、発射!!」

網は綺麗に魚群の真ん中に入った。それをリールで引き上げると……

「艦長、大量ですね」

隊員たちのうれしそうな声が聞こえる。そこには、イワシ、アジ、トビウオ、マグロ、カツオなどの魚が予想以上に捕れていた。

「艦長、これは大幅な黒字ですね!!」

一次産業が不足している今、天然魚の買い取り価格は平和になる前と比べて四倍ほどになっていた。

「諸君、初回は大成功だ!!」

俺たちは、魚を売りに市場に戻った。

買い取り値はおよそ1000万円だった。出向にかかった費用、税金を差し引いても600万円残った。これで、一人の手取りは60万円は保証できる。だが、ここで知樹がこんなことを言い出した。

「皆、今回漁に出ているときにいい案をおもいついたんだ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る