第9話〜劣等生の一日〜前編

なんとか奇跡的に補講を回避した委員長は、ぼーっと一日を過ごしていた。

普段から、真面目に授業を受けていれば良いものの…と言うことで今回は、このダメ委員長の一日をこっそり密着しようと思う。

(※リアル学生の皆さんは、絶対に真似をしないように。一歩間違えれば浪人確定ルートですよ…)

朝日もまだ出ぬ5時30分委員長は起床する。ここから彼の忙しい様な…忙しくない様な一日が始まる。

5時30分から勉強する訳では無い。

この時間に起きないと学校に間に合わないのだ。

「あ゛ぁ…ねっむ…もう朝か…」

ちなみにこの時点で電車出発まで一時間である。

そこから彼は、身支度を済ませ、朝食を食べ30分程自転車を漕ぎ、駅に向かうのである。

何故そこまで早く学校に向かわなければならないのか?そこには、二つの理由がある。

一つ目は『朝課外あさかがい』と言う鬼畜制度の為である。

朝7時30分から40分 授業を行い、授業効率の向上 記憶力の上昇 を狙ってるらしいが、一切そんな事は無い。朝課外ではなく、睡眠学習と言った方が的確だろう。さらに悪い事に、遅刻者は後日補習 と言う遠方通学生殺しである。人的遅延や自然災害による遅延が認められるのが唯一の救いだが…

二つ目はこの後輩と話すためである。

まあ、話すと言ってもかなりの雑談だが。その後輩とは諸岡 悠貴もろおかゆうきである。

彼とは、最初こそあまり打ち解けられなかったが、一度話して見ると、なんと打ち解け易く、いい奴だった。それも今まで会ってきた中では、最高位かも知れない。

「おはようございます 先輩。また目…死んでますよ」なんだ、今日も目が死んでるのか。平常運転

「おはよ。朝一発目からかますね あんた」

彼の第一声は、大体こんなもんだ。

彼は、僕の少し矛盾した話や学校批判なども聞いてくれるので、一種のストレス発散である。

今日の話題は、朝課外みたいだ。

「大体ね こんな時間からね、来させたって意味ないの」

「本当ですよ。(学校を指さしながら)絶対あいつら こっちの気持ちわかんないっすよ」

「こらwww指差すのをwwwやめなさいwww」

と言う 学校が聞いたら、大変な事になりそうな会話である。

彼とは、学年が違うので昇降口でお別れ。さてここから私の戦いが始まるのだが…ここで解説しておかないといけない事がある。この学校の不思議な法則についてだ。

この学校は各学年六クラスで構成されている。しかし、二年次の文理選択によって、一 二組は理系 残りを文系と分けている。さらにその一組二組でも差別化を図るために、一組を男子のみのクラスに 二組をほぼ女子のみにすると言う、今の時代考えにくい構成になっているのである。

そして、僕が振り分けられたのは男のみのクラス。

なんてこったい…男しかいないクラスで、何か起きないわけがない。

一つだけ断言しておくが、僕はホモでは無い。

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