第7話〜一難去ってまた一難〜前編

さて、無事に定例会に間に合い、委員からの批判 反発もなく、事を進めることが出来た。よかった…

だが、一難去ってまた一難という言葉がある様に、災難というのは続けてくるもんだ。そう、僕を襲った災難とは、定期考査である。

「ふぁぁ〜〜〜死んじゃうぅぅ!!!」そう。今の今まで、定例会に向けて資料制作してて勉強なんてそっちのけ、授業なんて起きて聴けるわけがない。

絶望した僕が来る場所。そう、あの天使の住処。

図書室である。

「ウワァァァン 助けて!文香お姉様!」

僕は、カウンターに座っている女神に助けを求めた。

「はぁ…私に…出来ることなら…」流石、今日も可愛い。

「高柳さんなら…他の委員に聞いてもいいのでは…」出来ることなら、僕もそうしたい。でも、そう出来ないのは、頼る側に少し いや、大きな問題があった。

「理系なのにwwwこんな問題も分かんないのwww」そう、笑いながら僕を罵倒したこの女性。

副委員長である 亜美お姉様である。僕は、彼女に弱みを握られている訳でも無いのに、僕を「自分より下」と言わんばかりに使うのである。

この委員会は、委員長一人 副委員長三人 と言う複雑な構成をしている。

委員長は私 高柳 祥

副委員長は二年秋に委員長を争った竹本采香

そして、今罵倒してきた川原亜美

最後に、目の前の天使 赤羽文香

竹本采香と赤羽文香の二人に至っては何ら、問題は無い。

そう、ネックになっているのは川原亜美。こいつである。

こいつは、成績も文香といい勝負をしている。特定の教科のみで見たら、文香に勝っている物もある。しかし、こいつには、大きすぎるがある。

それは「自分が優位と分かると人を見下す」と言う社会生活 いや学校生活すらも心配される、問題である。

確かに、こいつにリーダーを任せると、適材適所に人を配置し、俺の何十倍も効率よく仕事を終わらせる。ただ一つ、批判 罵倒を除いて。

数回、采香から亜美の批判 罵倒を聞いたことがある。基本的には、正しいが…中には聞くに耐えないものもあった。采香が言うには

「あの娘を例えるなら、だよ。それ以上もそれ以下でも無い。流れ弾なんて気にしない。」

これはひどい… そう僕が呟くと続けてこう言った。

「最初は、聞くのキツかったし、一時期 顔を見るのも嫌だった。でも今は、制御方も少し分かったし、貯まる前に貴方に吐き出す事で、貴方は委員の現状把握 私はストレス発散 ね。一石二鳥でしょ。」

なんだ、また俺は利用されてたのか。それに一見一石二鳥の様に見えるが、采香は「俺が人の愚痴を聞くのが好き」って知ってて話してるので、俺に利益は基本無い。

ここまで聞くと、「お前の権力で制御しろよ」とでも言われそうだが、彼女がまだ、丸かった時期に聞いたが、かなりの武術の持ち主らしく 護身術位ならここでもレクチャー出来る。 と目の前で言われたのでかなり冷や汗をかいたのを思えている。

そう、こんなか弱いオタクが権力を使った所で、特に意味は無く、運が悪ければ下剋上もありうる という訳だ。

そこで僕は、ある考えを思いついた。もしかしたら、少し荒療治かもしれない。

でも、今はこれが最善策かもしれない。いや、これに賭けるしかない。あいつを丸くするには。

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