第6話~混沌と化す委員会~後編
「私は、人が沢山いたり…外に出ると…徐々に体調が悪くなるだけで、この図書館は…私にとって最適な環境なので、大丈夫ですよ。」
また、彼女はクスッと笑って見せた。その笑顔を見るとまた、鼓動が早くなってしまう…落ち着け…
「と言うことは、仕事を入れても…大丈夫?」
僕は、少し声が震えながら、こう聞いた。
「ええ…図書館内のお仕事でしたら…大丈夫ですよ。」続けて彼女はこう言った。
「後…私の事は 文香 と呼んでください…余り、名字で呼ばれるのが…好きではないので…」
この委員会は、女性が多く 話す事には慣れているつもりであったが…こんなにドキドキするのは、初めてだ…僕は、完全に彼女に魅了されてしまったみたいだ…
「じゃあ、カウンター業務を多く入れておくね。カウンターだったら司書さんもいるし、休み休み出来るからね。」
と言うと、彼女は先程とは打って変わって、ふるふると震えだした。もしかして…と思い 大丈夫?と尋ねると彼女はか細い声でこう言った。
「たっ…対人…ぎっ…業務…は…にっ…にが…苦手です…」あぁ…そう言えば、こんな噂も聞いたことがある。「極度の対人恐怖症」と じゃあ何故僕とは、話せるのだろうか?不思議に思って聞いてみた。
「対人業務は苦手なのに、僕とは話せるんだね 嬉しいな…」その一言を聞き、彼女は頬を少し赤らめながら、こう言った。
「あっ…貴方は…わっ…私と…おっ…同じ匂いがして…私も…気になってた…から…今…話せて…凄く…嬉しいの…///」最高に可愛いな、おい。こんな、理系の端くれが才女と同じ匂いはしないはずなのだが…
「私は…貴方が、本を…大切にしているのを見て…そこから…貴方が…気になったの…」なるほど。僕は、いつの間にか彼女に観察されていたんだな。
「数日前…身を犠牲にして…本を守ってて…凄く…カッコ…よかった…」なるほど。よく見てる。彼女の言う通り、数日前、抱えている本が落ちそうになので取ったらそのまま落ちて、尻もちをついた と言うのがあったが、そこまで見ているとは…恐るべし。
「大丈夫。文香 はデータ確認側で大丈夫だよ。対人業務は僕がやるから。」そう言うと彼女は明るく喜んだ。
「本当ですか…」だから本当可愛いな、おい。
でも、これでなんとか定例会までに仕事の割り振りは間に合いそうだ。よかった よかった。これで俺も寝れる。
後は、委員が大幅反発をしなければ、いいのだが…
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