第2話〜みんなのリーダーって?〜 前編

 さて周りの意見を汲み取り委員会活動を開始していった祥だがまだまだ問題は山積みだった。文化祭での活動 日常での活動 お知らせの発行...などなど...

根本から言えば副委員長すら決まっていないという事態だった。

 そんな中 俺は生徒会室にいた。「はい じゃぁ生徒会始めまーす」

と言って会議を始めたのはうちの学校の生徒会長 鈴原由すずはらゆいであった。

 彼女はあまり引っ張っていくタイプではないが自ら仕事をし、みんなを彼女なりに引っ張っている(と僕は思う。)だが、彼女には大きな、いや大きすぎる欠点がある。それは「周りに流されやすい」という会長として大丈夫なのかという欠点である...実際会議でも...個人的には会長よりしっかりしてる刀根美織とねみおりさんが意見を言うと「じゃあそうしようか うん、そうしたほうがいいね」...と会議を締めるのであった...本当にこの人なんで会長になったんだろうと本人曰く「憧れ」だそうだ。

 その話を聞いたのはその日の帰りだった 会長と一緒に帰ることになり思い切ってこの話をしてみた。すると彼女はこう切り出した「なんかね...憧れてたの...」僕は一語一句聞き逃さないように耳を傾けた...

 彼女は中学時代からリーダーというものに憧れてきたそうだ中学時代から部活の部長やグループでの仕切り役などを活発にやってきて会長は思ったそうだ「私ね、高校に入る前に、こう決めたんだ『生徒会長になるんだ!』って」彼女は、はにかみながら答えた。「でもね、やっぱり現実はそう甘くなかったの。先生からは真っ向から反対されて、誰も応援をしてくれなかった。でも私は諦めなかった。いや諦めたくなかった...って言った方が正しいかも。そんなんとき出会ったのが澪だったの。」彼女の口から出てきた澪というのは志熊澪しぐまみおという同じ生徒会で、会長が一番の信頼を置いている人物である。僕は、正直にいうと驚くと同時にまあ必然だろうと思ってしまった...

「だからね...私 自分にできる精一杯のことをして...澪に 澪に恩返し出したかったの」彼女の決意のような声は乗り換えの駅のホームに響きわたった...

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