冴えない図書委員長が委員会とクラスでやんわり頑張る物語

零幽

第1話 〜周りの意見を汲み取る〜

これは作者が実際に体験・経験した実話である。

リーダーと言えばどんな人を思い浮かべるだろうか?行動力のある人?体育会系のキャプテン?頭のいい成績優秀者?でもこの主人公は違った。

「ふぅ...今週もよく働いた働いた。」そうこれがこの物語の主人公 高柳祥たかやなぎしょう高三である。成績はお世辞にも良いとは言えない。かといって実行力や行動力がある訳ではない。運動も... と本当にどの視点から見てもパッとしない...冴えない主人公である。

さて一通り彼の説明が終わったところで、なぜこんな冴えない地味系男子が委員長になってしまったのかを説明しようと思う。


時は巻き戻り高一の冬この時すでに彼は図書委員だった。そして彼の今後を決めるような発言がある それは意外なことに自分や他の人でもなく司書さんであった。「できれば今年の委員で委員長を決めたいねぇ...」この司書さんの偶然聞こえた独り言のような言葉を彼は聞いていたのであった。

そして高二の秋 先輩方が委員会を辞める時期にさしかかりここでふと去年聞いたあの言葉がふと甦った。

その数週間後... 祥は司書さんの言葉をもとに委員長に立候補した。

......とこれだけ見ると行動力があると思われるが思わぬ出来事が彼を襲う...

それは委員長に立候補した三日後の出来事であった

同じ委員会の川原亜美かわはらあみがこう切り出した「竹本采香たけもとあやかも委員長なりたかったって言ってたよ。もっと周り見ろよ。」

衝撃だった。この二人の女子は高一からの知り合いで都合が合えば遊びに行く中だ。竹本は物静かで少し近寄りがたい雰囲気もあるが一度仲良くなってしまえば本人の雰囲気からは考え出せないダジャレも飛び出し僕もそのギャップには驚かされたものだ。僕も彼女から相談を幾度か受けたことがある だが重役や委員会についての相談はあまり受けたことがない...いや正確にはされなかった。


そんな彼女からは直接聞けなかったが、まさかそんな彼女が委員長になりたかったなんて... その知らせを聞いた後もちろん川原からは殴りかかるような怒涛の勢いで追及されたが川原や竹本が納得できるような言葉は言えなかった...

これでは踏ん切りがつかない...ということで勇気を出して竹本に謝ることにした。単純だがこれしか思いつかなかった。いやこれしかできなかったという方が正確であろう。 と言うことでLINEを使って謝った。すると返信が来た。そこには予想を覆すかのようなメッセージであった...「あんな短い間で委員長になるって決断して生徒会にも入るなんて決断私にはできないよ」驚きだった...

恨まず憎まずまた委員長になったことを妬むようなメッセージでなく委員長になったことを祝福するメッセージであった。

これで一旦は収束したのだがまた困難があったのはまた別の話である。

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