第9話 前に進めば痛くない!(梧桐彰)/推薦者:あきの たけ

「アツく語れっ!」と言われたので、暴走させていただきます。


『前に進めば痛くない!』のあらすじを、とても簡単に説明。


 格闘に興味のない主人公が、親友と格闘技同好会に入ります。

 そこで、新しい出会いがあり、格闘の楽しさを知りますが、新人戦で親友が卑怯な手で倒され、怒りにみちた主人公が、親友のために立ち上がる。

 本格的な格闘スポ根。

「一日だけ、獰猛な獣になるために、これまでの日常は全部捨ててやる」という、主人公の意気込みがすごい物語です。


 スポ根ものですが、押しつけがましくないし、クスッと笑える場面もあり、青春してます。

 所々、暴力描写がありますが、女の子たちが爽やかで、汗臭さもなく、読みやすい。

 練習や特訓のシーンでも描写がしっかりしているので、格闘技を知らない人でも、ひきこまれると思います。

 とくに、主人公の親友が倒れるときから最後まで、目が離せません。


 しかし、この物語のすごい所は、王道の青春、熱血、格闘スポ根だけではありません。


 ストーリーも楽しめたのですが、とてもリアルな試合の描写に驚かされました。


 格闘技に興味がない人でも、小説を書くときに、何かと戦闘シーンにふれることがあるはずです。

 そんな時、この物語を読むと読まないでは、大きく変わります。


 私は空手を三年ほど見学していたのですが、強い蹴りの打ち方、こぶしの出し方など、体の使い方が、巧みに表現されています。

 また、格闘を見る側の視線も上手く表現されているので、緊張感の伝わり方が、とても参考になりました。


 迫力のある格闘描写を目指している方は、ぜひ読んでみてください。



 ■作品URL https://kakuyomu.jp/works/1177354054880663794



 ここからは、梧桐彰さまへ


 現在、某連盟では「空手」の知名度を上げようと頑張っています。

 蹴りのポイントの違い、残心などのルールの周知に頭を悩ませています。

 おそらくこれから、色々あります。(詳しく書けなくてすみません)


 少年マガジンでも、すこし前に空手漫画の連載がはじまりましたが、今はマガジンポケットへ。


 格闘小説というだけで、読者層が狭まってしまいますが、いろいろなことにチャレンジをして、がんばってください。


 ――――――――――――


 あきの たけさん

 アツい暴走、ありがとうございました。


 そう! そうですよね!

 私は本作を、藤浪保さんのレビューで知り

 いい青春格闘少女小説……と思ってましたが、


 カク人にとっては格闘描写の参考になる!


 という部分は盲点でした。


 一日だけ、獰猛な獣になるユーハの姿を

 みなさんも目に焼きつけてください。

 (真野絡繰)

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