第10話 燃えよ拳(伊東デイズ)/推薦者:雅島貢

 一個選べというと滅茶苦茶困るわけでありますが、まあしかし、一個無理やり選ぶとするとこれでしょうか。


なぜこの作品を選んだかというと、理由は二つ。


 一つは『涼宮ハルヒの憂鬱』二次創作作品がもっと増えてほしいからです。俺は『涼宮ハルヒの憂鬱』とその二次創作群がとにかく好きマンであり、とにかくそれが楽しみでカクヨムに来ているところがあります。が、いかんせんちょっとばかり(本当にちょっとだけですけど)昔の作品なので、そんなに熱烈に活気があるとは言えない。言えないのよ。どうなってんのよ。おかしいだろうが。


 それでまあ、この作品を通してむしろ『涼宮ハルヒの憂鬱』について関心を持ってほしい、としたらこれを選ぶのはおかしいんですよ。ごめんなさい。


 というのは、これは原作「涼宮ハルヒの憂鬱」「涼宮ハルヒの退屈」「涼宮ハルヒの消失」「涼宮ハルヒの動揺」を読んでから読んで欲しい話だからです。四冊もかよ。あまりにもだろ。あるいはアニメ版および劇場版を見た人であれば、「動揺」だけでもまあいいです。うーん百歩譲って「憂鬱」と「消失」だけでもいいかー? 中河君には気の毒だけど。


 いや分かりますよ、こういう場面では本来、涼宮ハルヒの憂鬱をなんかちらっと話聞いたことあるなあ、という人にもお勧めできる作品を紹介して、以て間口を広げるべきであって、だからこの選択は間違っていると言えるかもしれません。でもこれを選ぶしか俺にはなかった。


 なぜか。それが理由の二つ目です。俺が誰かとこの作品についての話をしたいからであります。みんな読んで~~~頼む~~~!!


 話したい点は主に二つで、一つ目は、「野球場」「野球」というものに対する涼宮ハルヒの心情についての伊東デイズ氏の解釈について我々はどう解釈すべきかということについて。

 二つ目は、そう、この二つ目のためにこの作品を選んだ訳ですけれども、最後の最後、長門有希のセリフについて。


 このセリフがね~~もうほんとお前は俺かというか。あなたが神かというか。俺が「消失」について抱いている妄念・妄想・空想をすべて表現しきっているというか。俺が百万言を費やしても説明できない気持ちを、ごく短い一文で表現しきっているというか。すっげーいいんですよこのセリフが。


 ただ、このセリフがなぜ「いい」かを知るためには、何度も言うように、せめて「消失」の劇場版(二時間半)を見るか、原作を読むかしないといけないし、あとできれば「消失」の長門有希についてじっくり考えていただく必要があるかなとは思うんですね。

 俺はどうしたいんだ? 無駄にハードルをあげたいのか?


 でもまあ、とりあえず、一旦、なんかハルヒ、聞いたことあるな~っていう人は、読んでみてほしいと思うんです。それで、なんでこのセリフがこんなに「いい」とされるか分からないと思ったら原典に当たってみてもいい。原典に当たったうえで、ピンとこないよと思うんだったら、そのときは俺と話しましょうよ。何がどういいか、何行だって書きますから。でもまずは読んでもらわないと話にならないんでね。

 

 カクヨムの問題点のひとつは、読者同士できゃっきゃ言えないところにあると思うんですよ。俺はきゃっきゃ言いたいんです。そういうことなんですよ。つまり俺の欲望のために、みんなに読んでもらいたいということです。


 紹介文というのは作品の内容を紹介するべきところであって、お前がお前の欲望を書くところではない。その通りです。でもね、まあ、いいじゃあないですか。こういうのも。とにかく読んで、満足したら俺と話をしましょう。待ってます。


 ■作品URL https://kakuyomu.jp/works/4852201425154893680


 ――――――――――――


 雅島貢さん


 アツいアツい推薦をありがとうございました。

 すみません、私は原作を読んでおりません(笑)

 ……ので、調べました。


 小説が2003年、アニメが2006年。

 つまり10年以上も経っている作品なのですね。


 それが今もここまで人気であり、こうして2次創作まで

 繰り広げられていることが、本当にすごいです。


 それと、雅島さんの「きゃっきゃ言いたい」という願望。

 これ、実現できるといいな~と思います。

 (真野絡繰)

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