第21話

モコが突然カバンの中からクリアファイルを取り出した。

何が出てくるのかと思ったら俺らの力のデータをモコは持っていたらしくそこに紅葉ちゃんのデータを足していった。

そこに書いてあったデータは、


杉並 太陽                              五月六日生まれ


聖剣使い 火 風 水 土 雷にモードチェンジ可能(だった?)


ファイヤードラゴン FLAME DANCE

サイクロドラゴン  STRONG CYCLONE 

アクアドラゴン   AQUARCHERY

サンドドラゴン   SANDSTORM

ライジングドラゴン RISING THUNDER


大宮 桜                              十二月二日生まれ


魔法使い マグマ 忍者 氷河 時を一時的に止める力を使いこなせるた?


マグマ        FLAME GRACE

忍者         TREASURE OF THE VILLAGE

氷河         ETERNAL BLIZZARD

時を一時的に止める力 ANGEL TIME


そして新たに紅葉ちゃんのデータが加えられた。


紅葉                                十一月十日生まれ


コピー能力者 やろうと思えば何の能力でもコピー出来るかもしれない

今は桜の旧友?の大宮(おおみや)春(はる)翔(と)さんの武器をコピーしている

必殺技はまだ試したことがない。

ホワイトドラゴン

その後俺たちはお化け屋敷などで遊び六時くらいに遊園地を出た。

中学生と小学生?だけでは夜遅くまで遊んでいるとお巡りさんが迎えに来てしまうからだ。

帰り道では遊園地での楽しかったエピソードを話して楽しんでいる。

紅葉ちゃんも初めは緊張していたが、今ではもうみんなと打ち解けている。

「良かった」

「何がなの?」

いつの間に。

桜は夏美たちとずっと話していたのにいきなり俺の背後に現れるとは。

なんというか・・・・・・影が薄いのかな?

「タイちゃん。全部筒抜けだからね。」

はい。ごめんなさい。まんべんの笑み浮かべながら言われるのはに怖いな。

「んで、何が良かったの?」

「紅葉ちゃんが夏美たちと早く打ち解けてくれたのと、仲間が一人増えたこと。二人が嫌だとかじゃないからな」

「わかっているってば。うん。良かったね本当に」

今浮かべている桜の笑みは今まで見てきた笑みの中で一番きれいだった。

多分バックに夕日があったからだろう。

でも今の桜の笑みは俺をまた勇気づけてくれたのだった。


紅葉ちゃんは当たり前のように我家で預かることにした。

だが俺はまだ紅葉ちゃんが妹だと認めていない。

母親は俺が幼いころにいなくなったらしい。

そのため兄も弟も姉も妹もいない。

はっきりではないが母親の顔を少しは覚えているがそれ以外は本当に何も覚えていない。

父親は朝から晩まで仕事をしているため日中家にいるのは俺ずっと一人だった。

そこに妹なのじゃと言われても・・・。

だから俺は本当に紅葉ちゃんが妹なのか検査をしたい。

丁度知り合いにDNA鑑定をしている人がいたので内緒でしてもらうことにした。

なんとなく学校とかでDNA鑑定の事を言われるのが嫌だったからだ。

DNA鑑定の仕方は簡単だった。

自分と相手の唾液を検査キットの中に入れて知り合いに渡すだけ。

その後は知り合いが調べてくれる。

いっけん、簡単そうに思えるのだが・・・・・。

問題が一つある。

紅葉ちゃんに唾をください何て言えないよなぁ~。

「太陽さん。キモイです」

「太陽は紅葉ちゃんから唾をもらってどうする気だったのかな?もしかしてニヤニヤしながら・・・・」

「そんなことしないよ」

「だったらタイちゃん。何で紅葉ちゃんの唾が欲しいの?私のだったら・・・」

「桜さん。それは・・・いけないです」

まさかまた思っていることが口に出てしまったのか。

学校でこのことで悩んでいるのではなかったなと太陽は後悔している。

去年の夏もそれで夏美に怒られたよな。

「んで、なんでほしいなんて言ったの?」

三人の目は刃物よりも鋭かった。

一人で悩んでいても仕方がないと思い三人に話した。

すると三人は自分の胸に手を当てほっと溜息をついた。

そして三人とも

「「「私たちも協力するよ」」」

と言ってくれた。

『キーンコーンカーンコーン』

授業開始の鐘が校内に鳴り響いた。

「はーい。席に就け授業を始めるぞ」

物理担当で野球部の顧問の海田先生が教室の後ろの扉を開けてやってきた。

なぜ後ろから。

とツッコミをしたいのだが先生が何かを言いたそうなのでやめておいた。

あ、ちなみにこの先生はロリコンだ。

中学一年生までが対象らしいので昨年までは一年生の所に着かせなかったのだが今年は一年生の担任だ。

どんな手を使ったのか進級当時は校内で一番話題となった。

「二年生の皆には直接の関係はないのだが兄弟学級の一年A組に転校生が来た。みんな仲良くして・・・・・」

誰もが転校生が女の子であることが先生の行動でわかった。

それは全てを言う前に笑ってしまったからだ。

何人かの女子生徒は引いているが夏美たちは引いていない。

いや聞いてないだけか。

そう思っていたのだが・・・

「一年生の教室行こうよ。ねぇ~太陽」

昼休みになった途端三人は弁当も食べずに一年生の所に行こうとしている。そして俺の悩みなんて三人の頭の中には無いようだ。

「Allons chez une(早く一年生のところ) prem ière niveeuse tôt(に行きましょうです。). taiyou(太陽さん。).」

何を言っているのか分からないが早くいこうと言っているのだろう。

桜も行きたそうにずっと俺を見ているので一年生の所に行くことにした。


転校生のうわさもすでに校内に広まっていた。

転校生を一目見ようと一年A組の教室の前には人だまりが出来ていた。

男の割合の方が多いなこれは。

俺もちょっぴり興味がわいてきたな。

「何ニタニタしてるのよ」

三人の視線が怖いです。はい。

「そこでニヤニヤしてないでとっとと転校生の所へ行くよ」

桜よ。その棒読みの言い方はやめてくれ。そこまで怒るなよ。と思いつつ俺たちは人だまりの中に入って行った。

するとそこにいたのは・・・・・

「あ、太陽お兄ちゃんなのじゃ」

と言って俺の腕にしがみついてきた。

その瞬間の人だまりにいた全生徒からの視線は針を千本飲まされるよりも痛い。

特に桜の視線は針どころではすまなそうな視線だ。

「なぜここに紅葉ちゃんがいるの?」

「いてはいけないのか?」

そんな目で俺を見ないでくれ。

捨て犬が拾ってくださいと願っているかのような目で俺を見るのはやめてくれ。

「いやそうじゃなくて、小学生かと思っていたから」

紅葉ちゃんキョトンと不思議そうな顔をしている。

そして私は正真正銘な中学一年生だよと言うようにその場で一回転しお嬢様のようにスカートを持ち上げ一礼を見せた。

その姿に魅了された男子たちの中で紅葉ちゃんファンクラブまでが出来てしまった。

なぜか俺が会員ナンバー00を付けることになってしまった。

そのまま俺は会員の皆様方にどこかに連れでいかれてしまった。

四人が何をしゃべっているのかすっごく気になるしおれもまぜてほしいよぉ。


俺が来てから紅葉ちゃんは他の人を見向きもしなかった。

そのため俺は昼休み中紅葉ちゃんとの関係など色々なこと聞かれた。

聞くなら普通に教えるのに・・・・・。

なぜ俺は体育館の放送室で縄で縛られ宙釣りにされなくてはならなかったのか。

まぁ授業が始まる前には開放してくれたからいいけど。

四人ともっと話していたかったな。

紅葉ちゃんのことは家に帰ってから聞くか。

それよりも昼飯食べ損ねた。

午後の授業体育あったよな。

「あ、タイちゃんおかえり」

「授業前には開放されたんだね」

もっと心配してくれていると思ったのだが、心配してないな。

これは。うん。少し目に熱いものが出てきそうだ。

「太陽さん。大丈夫でしたかです。お怪我などはありませんでしたかです」救急箱を持ってきてくれていた。

と言うか看護婦のコスプレまでしていた。

どこで借りたものか。それもそうだが授業開始まで五分もないのだが大丈夫なのか俺はそっちの方が心配だ。

「ありがとうモコ。宙釣りにされて紅葉ちゃんの事を話していただけだよ」

「紅葉ちゃんのことを話したって太陽どんな事を話したの?」

「タ、タイちゃん。紅葉ちゃんのスリーサイ・・・・・」

「んな訳あるか。」

大声を出してしまった。

そのせいでクラス全員が俺らの方を見た。

正直すごく恥ずかしい。

俺は大勢の人に注目されるのが苦手だ。

すぐ、顔が赤くなってしまう。

モコもそうなのだろう。

色白なモコの顔がリンゴのように赤くなっていた。

俺以上に赤くなっているのでもの凄く恥ずかしいのだろう。

ごめんなモコ。

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