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 サイトを覗くと、さっそく大人気の作品もちらほら見える。

 それから数日。

 出来たばかりのサイトでは狂想曲のようにランキングが推移した。


『カメSF』際限なく増殖するカメの物語。

『カメか』ただ一つの単語「カメ」にまつわるお祭り騒ぎ。

 カメ短編乱立期の到来。


 カメを育てるため、片っ端から読みもしない作品をフォローしまくるというワケの解からないブームも起きた。かと思えば、評価とレビューを互いに入れ合う互助会も出現した。


『100本読んだ感じの作品傾向と、カメの成長への提言。あと宣伝。』が発表された。


 前後して、短編作品がランキングを席巻した。サクッと読めてすぐ評価とレビューが出来るのでカメ育てに重宝されたようだった。読書時間も換算されるらしいと言われるようになると、長編作品も読まれるようになっていった。

 夜夢子のカメ、カドカワカメ吉もすくすくと成長してはいるが、未だツリーハウスを建てられるほどの大きさにはならない。


『カメ以外を飼育してるから見えること。』運営批判が始まった。

『カメ育てのお手伝いします!』依頼を受けて評価する人が現れた。


 もはやヨムが目的か、カメが目的か解からなくなってきた。


 それからさらに数日後、エッセイジャンルは二つに分かれた。

『エッセイ・ノンフィクション』

『創作論・カメ論』


 夜夢子は読み書きが苦手だが、作品を読めば色々とゲーム内の特典がもらえるので、毎日せっせと誰かの作品を読んでいる。最初はカメ吉のためだったが、近頃は読むことそのものが楽しくなってきている。

「私も書いてみようかなぁ?」

 すこし、うずうずし始めている。


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