【ラノベ?】カクヨム・ファンタジー
柿木まめ太
第一話 それは2016年2月29日
1ページ目
それは2016年2月29日。
満を持してサービス開始に至った、まったく新しい小説投稿サイト『カクヨム』の、記念すべき初お目見えの朝。
角野夜夢子は希望に胸膨らませ、パソコンを起動した――
事前登録しておいたカクヨムのサイトトップを開き、彼女は諸手を挙げて喜びを表した。
「きゃー、心配してたけど、正式にサービス開始してる! よかったー、小説サイトだけ先にリリースして、ゲームの方は後日になるのかとか思っちゃったー。」
言うなり、彼女は小説の新着欄には目もくれず、サイト上部に置かれたネットゲームのランチャーをクリックした。
女子高生の彼女が最近まで贔屓にしてきた幾つかのソシャゲを放り出して、今朝、カクヨムに来た理由が、このネトゲだ。小説にはあまり興味がない。なんか難しそうだし、色々と他のことで忙しいし。
カクヨムの小説部門サイトの画面を覆い隠すようにして新たに出現したそのゲーム画面には、海に浮かぶ大小の島々が映っている。かわいらしい絵柄だ。ひときわ大きな島がズームで近付くと、やがて場面転換した。
島の端っこにある街にには、もうゲームのプレイヤーキャラクターがスタンバイだ。事前登録の際に作っておいたプレイキャラは、まだ地味な村人の服を着ている。彼女のキャラの名前は『ヨムヨム』で、彼女自身によく似た女の子だった。ヨムヨムが歩くと、後ろを小さなカメがついて回る。
カメ。
甲羅に一本の樹が生えていて、メルヘンチックな容姿をした、今はまだ小さなカメ。これを育ててツリーハウスをこしらえるのが、このゲームの主な目的になっている。
夜夢子はゲーム画面を下敷きにしてカクヨムのサイトトップと入れ替えた。
カメを育てる方法は至ってカンタン。
カクヨムにある投稿作品を読んだり、評価したり、レビューしたり、交流をしたりすればいい。
逆に、それ以外にカメを育てる方法は実装されていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます