第8話
【十月二日(金)】
今日は一週間前にあった文化祭の振替で休みだ。
今日はいつメンでカラオケに行った。
いつメンとは
松岡先輩の家の近くにある有名カラオケ店でカラオケをすることになるまで時間がかかった。
僕と松岡先輩の家は十分程度でついてしまうのでカラオケで遊ぶと決まる前に松岡先輩の家へ行きラーメン屋でお昼を食べた。
そこのラーメン屋は脂がすごく器まで脂がかかっていたが、手で受け取り、手が脂まみれになった。
食べ終わったがどこで遊ぶか決まらないので薬局や海外のお店などに行き時間をつぶしていると松岡先輩の家の近くにあるカラオケ店に集合となった。
毎回の通り僕から時計回りで歌い始める。
僕は歌が上手くないしアニソンをよく歌う。
いや、九十八パーセントはアニソンだ。
他の四人は歌も上手く頭も良く卓球も上手く本当に憧れの四人だ。
今こうして一緒に遊んでいるのは夢のようだ。
細密採点なので音を合わせようとしながら自分では歌っているつもりだが、合わせようとしてもしなくても点数は低い。
みんな八十点後半と九十点をいっぱいたたき出しているのに僕だけ七十点台。
アニソンは普通のJポップよりも難しんだ!だからみんなよりも点数が低くたって問題ないと思ったことが何度あっただろうか。
ならば普通のJポップを歌えば点数が高くなるのではと試してみたが結果は惨敗。
もう泣きたい。
「レモン歌下手すぎ」
とうとう佐倉にバカにされた。
透き通った綺麗な歌声の佐倉。
安定した点数とたたき出しなおかつ場を盛大に盛り上げてくれる松岡先輩。
一度聴いたらもう一度聞きたくなるような歌声の水瀬。
歌声も何もかもイケメンで誰もが虜になってしまう歌声の梶先輩。
入った時間が遅かったため六時間くらいしか歌えなかったし聞けなかったがとても楽しかった。
その後は近くのショッピングモールで夕食を食べようといったのだが食べたいものがなくショッピングモールを後にした。
どこで夕食をとろうかと目的なしに歩いていると佐倉がとんこつラーメン食べたいというので昼食べたところとは違うラーメン屋で夕食をとることにした。
・・・・・・・・・・・・。
人はなぜ美味しいものを食べているときは無言になってしまうのだろうか?
ほとんど会話もなく五人全員が食べ終わると時間も遅かったのでその日は帰ることにした。
とても楽しい休日。
二食ラーメンといつメンでのカラオケげで僕はとってもお腹がいっぱいだ。
【十月三日(土)】
今日は休日練習だ。
九時〜十二時半まで練習できる。
八時には卓球場についていて水瀬よりも先に来ていた。
昨日決めたフォームの確認を一人で黙々とやっていた。
どのようにやっていたかというと大きな鏡などないので、ボールを床に落としてそれを打つ練習をしていた。
果たしてこれが良い改善策なのかはわからないが中学の時に多分ドライブを習っていた友達がやっていた記憶があったのでやってみている。
僕は重心移動を気にしてなのか横にラケットを振っていて周りからは志○けんのギャグである『あぃ〜ん』をやっているように見えると言われる。
本来ならラケットは横ではなく上に降るのだと思う。
腕がおでこに当たるようなイメージを浮かべながらこの練習を行っている。
体重移動はやりすぎと水瀬や佐倉、梶先輩にも言われたので体重移動はあまり意識せず腕の振りに集中した。
卓球台の向こう側にあるネットにボールが入ると『キュルルルル』と回転がかかったときになる音が聞こえてくる。
すると、後ろからもギュルルルルと音が聞こえてきた。
何の音かと思い後ろを振り返るとそこには休日にもかかわらず松岡先輩と
なっていた音は松岡先輩のお腹の音であった。
お腹が減っていて、なっているのはわかったがあえてお腹の音は無視をした。
「来てくれたんですね! ありがとうございます!」
「ドライブの練習?」
先輩方にフォームで悩んでいることを話しました。
すると、松岡先輩は試合をしているところを動画で録ってそれを見ながら研究をして、順序を決めて練習することをオススメしてもらったので松岡先輩と試合することにした。
その間に速水先輩が動画を録ってくれることになった。
《第一ゲームラブゲーム》
じゃんけんで負けたためサーブは先輩からだ。
松岡先輩のラケットはフライアットカーボンに両面フライアットのラバーだ。
先輩のサーブも僕と同じで下回転がメインだ。
表(横目)なのでパチンとはらうことは余裕だろうと思った人もいるかもしれないがまだ表に自身がなくパチンとも出来ず表でツッツキをする。
そのツッツキした球はフォア側に落ちた。
先輩の得意技のはらいが決まり一点先制された。
その後も苦手な流し打ちをされて引退した先輩に負けそうになる。
六 ― 八
ただの下回転をフォア側に出したらはらわれる。
そのはらいは鋭く体が動かないので僕は取れない。
バック側を長い下回転だと流されてブロックをするとブロックが下手すぎて高く上がってしまい横回転の混じったスマッシュを打たれてしまう。
ならばいっそうバック側に長く速いナックルをだして打たれるとしたらパチンと叩かれると思うので頑張って打ち返すしかない。
でも、当てるだけで返されるなら先輩の場合だと浮くと思う。
浮いて帰ってきた球を打ち返せば一点差になれると思いバック側に長く速いナックルをだした。
先輩はまんまと引っかかってくれて球は浮いてフォア側に落ちた。
その球を僕は強く叩いた。
カウンターの上手な先輩なので返されないか正直、怖かったが先輩のフォア側でネット付近に落ちたため先輩は取れなかった。
その後一点も取らせずにこのセットは終わった。
第二セット・第三セットともに第一セット同様ギリギリの勝利だった。
四月に引退し、六ヶ月くらいは打ってない先輩に三セットで勝ったといえ、せった試合なのは正直悔しい。
試合は終わり速水先輩が撮ってくれていたビデオを見ることにした。
昨日練習していたサーブは下回転をかけているつもりでもナックルになっていて松岡先輩がそれをツッツキ浮く場面が多くある。
ラケットの振りも腕がおデコに着くように振ると良いと梶先輩が言っていたことを一回もやらず腕が首元に来ていた。
プロ野球選手で、ホームランをよく飛ばす選手のような腰の振りをしていて自分のボールが帰ってきている所、それゆえ自分の打ったボールの行方も見ていない。
レシーブも表なのにチキってしまい全てツッツキになっている。
他にも上げるところは数え切れないほどあると思う。
だから、楽をしたいから表に変えていたので裏・裏に戻すと決めた。
先輩方も賛成してくれた。
「先輩方からは足腰はしっかりしているんだからもっと動いてボールに食らいつけ」
とアドバイスをもらった。
すると、ケンちゃんがやってきた。
いつもは木曜日にクラブチームに行って練習をしていたが一昨日休みで今日あるはずなのに部活に顔をだした。
めずらしい。
そして、ケンちゃんは僕に
「強くなりたいなら今のしゃもじのような形のラケットと表じゃ強くなれないよ」
と言いインナーフォース・レイヤー・ALCを僕に勧める。
ラバーはGF45の裏・裏。
合わせて二万円を超えると聞いて正直腰が抜けた。
大学で卓球をやらないとしたら五ヶ月しか卓球をすることもないのに合わせて二万円を超えるラケットとラバーを買うのはためらう。
親にあまり迷惑をかけたくもないと思いはい買いますとは言えず苦笑いをするしか今の俺にはなすすべがなかった。
【十月四日(日)】
日曜日は練習が毎週休み。
いつめんとも遊べず、家でためていたビデオやYauTubeを見てはたからみると無駄に一日過ごしたように見えるが体も心も休めて有意義な一日だった。
《リアルと妄想》
「これ、ただの日記じゃん!」
つい大声を出してしまったと
「美梨さん。わかってないですね〜。ちゃんと最後まで読んでから言ってくださいよ!」
文句を言いながらも美梨さんは黙々と読んでいく。
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