拓海・卓球部(仮)
第6話
二つ目の作品は高校生の部活物語だ。
「先生が私に見せるのがいい作品の後だと次の作品は変なのが多いんだよな。あんま期待しないでよもお」
そんなこと言うなら読むなよ! など心が叫んでいるが美梨さんの今の表情はとても明るくそんなこと言いながら実際は期待しているんだよ! みたいな顔がたまりません。
「ポテチか何かないですか? おなかすきました」
仕事中に何してんだと思いつつもポテトチップスを渡す。
「あ、でも、食べるならベッドの上じゃなくて下りて食べてくださいね」
その瞬間ポテトチップスは宙に舞い元の場所へと戻っていった。
《リアルと妄想》
【
作者:水瀬 優
『プロローグ』
勝ちたい! 勝ちたい! 勝ちたい!
高校二年生の
それが今では「勝ちたい!」という欲が出てきている。
それもそのはず。
二年生で県大会に出場できなかったのは拓海だけだからだ。
中学一年生の春、僕は
近くに
中学生になったから部活に入ろうと考えていたが飯山中には男子の入れる部活は『野球部』『サッカー部』『陸上部』『卓球部』の四つしかなかった。
野球部・サッカー部は小学生の頃から経験していないとついていけないと思い断念した。
残りは陸上部と卓球部の二択。
陸上部は大会のユニホームは露出度が多く冬は寒そうだと思いこれも断念。
残り物である興味が全くない卓球部に入部した。
入部希望の友達が多く一クラス作れそうだった。
楽しい部活になると思った。
余談だが卓球に必要な用具にかかる費用は多額だ。
僕のラケットはだいたい五千円。
僕のラバーは両面合わせてだいたい八千円。
これだけでも一万三千円だ。
それにユニホーム・シューズやラケットケース・にメンテナンス用具にかかる費用を合わせるとだいたい三万円は超えると思う。
他の部活もこのくらい、またはこれ以上かかるかもしれないが当時の僕には高額なお金すぎた。
お金はかかったが部活の内容は楽なのだろうなどと軽い気持ちで入部したのだが、辛い練習が毎日とある。
今までで逃げてきてばっかりの僕には耐えられなかった。
アニメが好きな僕はたまに同じ卓球部の仲間とメッセなどに行きサボった。
そのせいで二年生になり、レギュラーメンバーには力の差をみせられ、後輩にも技術を抜かれた。
それでも部活は辞めず三年間辛い練習にも参加し、大会でも試合には出ないが応援はある程度やってきた。
最終的にはコーチにも見捨てられ基礎しか教えてもらえず独学? 適当な技で三年間最後の大会に同じく適当にやってきた友人とのダブルスで出場した。
新人のダブルスと二回戦まで当たったので勝っていたが、準優勝チームと三回戦であたり、力及ばず負けた。
努力もしてきていない僕達がここまで来られたんだと当時の僕は喜んでしまっていた。
それから月日はあっという間に過ぎ
先輩男子八人女子一人・同学年は僕を合わして男女二人ずつで飯山中の同学年の半分しか部員がいない。
中学で使っていたラケット・ラバーは手入れをしていなかったため使い物にならなかったので新しくまた買うことにした。
ラケットはだいたい五千円のラケットから少し上がっただいたい七千円になった。
ラバーの値段は両面合わせても安くはなったが五千円超え、財布が軽くなる。
専門の指導者がいないため同学年で真面目に三年間やっていた
同じ学年の女子、
ケンちゃんも本当なら二人のどちらかと打ちたいのだと思うが我慢して僕と打ってくれている。
だから、僕も気持ちを切り替えて部活に取り組もうと頑張ったはずだった。
歯の矯正をしていることをいいことにズル休みをして横浜に行き野球観戦を楽しんだりしていた。
そのせいで、みんなにどんどんおいていかれた。
大会では一回戦敗退は当たり前。
次第にこんな気持ちも生まれた。
楽しきゃいいや。
夏休みも過ぎ九月になった。
とうとうケンちゃんも佐倉と打つようになってしまった。
佐倉と打てなくなった水瀬が僕と打ってくれるが物足りないなど思っているのだろう。
そんな水瀬に僕は恋をした。
今までで恋人を作った経験もなければ告白をした経験もなかった。
何をしたらいいのか分からなく、また真面目に取り組みまずは話す機会を増やそうと自分なりに努力した。
そして、十月二日に告白までした。
結果は断られた。
告白は失敗し、二人の関係も少しぎこちなくなってしまった。
そしてまた、僕は怠けた。
それでも部活にはでた。
部長になりたかったからだ。
それからまた月日が過ぎ僕は二年生にかなっていた。
そこで僕は水瀬とケンちゃんに思いもないことを言われた。
「部長は波多野がやる」
僕は部長がやりたかった。
水瀬が好きだからここまで辞めずにやってきたのに、水瀬にフラレ、部長も出来ず部活を辞めようとまで思った。
しかも、水瀬とケンちゃんは付き合っていたし本当に辞めようと思った。
そんなときに佐倉と先輩が
「レモンにはレモンにしかできないことがある。それは何か分からないけどやってみる価値はあるよ」
と、言ってくれた。
僕を必要としてくれているかはわからないがそう言ってくれるのが嬉しかった。
次の日には新入生歓迎会があり、水瀬と僕で卓球部について
「部活の雰囲気はとても明るく、皆とても仲が良く、毎日部活に行くのが楽しいくらいです」
「その中でも『やる時はやる』というようにメリハリをつけ練習し、県大会出場を目標に部活動に励んでいます」
「そんな卓球部には新入生のみなさんの入部が必要なのです」
「見学だけでもいいのでぜひ」
「この体育館の下にある」
「卓球場に来てみてください」
「まってまーす」
と心境は複雑だったが楽しそうに説明をした。
それから後輩も出来るしやめることをやめた。
三年生が四月に引退してから部活の雰囲気がガラリと変わった。
雰囲気が変わり混乱する僕たち。
右も左もわからない一年生たち。
経験者が七人に未経験者が四人入部してくれたのは嬉しいがあまりの多さにまとめるのも一苦労だ。
それからまた日が経ち新人戦が始まった。
九月二十九日、団体戦・ダブルス。
三十日、ダブルスの順位決勝戦・個人戦。
ケンちゃん、水瀬、佐倉は順調に勝っていく。
僕は、一回戦は余裕勝ちをした。
次を勝てば中学の友達と当たれると浮かれていたのだが二回戦の相手に負けた。
敗因は努力をしていなかったためなのと簡単に勝てるだろうという緩んだ気持ちが大きく試合を動かしたのだと思う。
そして、三人は県大会への出場の切符をてにした。
前置きが長くなってしまったがか新人戦後(十月)からを書いていこうと思う。
少しばかり付き合ってください。
ちなみに、夏休み入ったくらいには水瀬と波多野は分かれており、二人の間にはぎこちない雰囲気が流れている。
それを知って僕は心の中でおおきなガッツポーズをして大いに喜びました。
《リアルと妄想》
「なんていうか引き込まれる何かがないよね? 例え先生の作品だからって買ってくれた人も読まずに売っちゃいそうだけど・・・・大丈夫ですか? ッテカマタミナセデテキタシ・・・・」
なにを・・・・縁起でもないことをと思ったがすみませんと謝ることしかできなかった。
最後は何て言っていたのかわからなかったけどいいよね?
「中古屋に、置かれて立ち読みした人もすぐにしまって他の本へ乗り換えちゃうよ」
「・・・・」
何にも言い返せない。
実際、美梨さんに読んでもらう前に友達に読んでもらった時もここまで読んで「詰まんないからいいや」って言われたのを覚えてはいたが直さなかったのは自分だしと、謝り続け続きも読んでもらった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます