第5話

太陽たいようはこつんと小突くだけで、ボールのように転がっていった。

すぐさま立ち上がりそれでもかとつるぎを振り回す。

ギガントスも負けじと剣をふるう。

剣のぶつかり合いをしていても勝ち目がないと太陽は気づいた。


太陽は右足に気をためた。

その気をためた足でギガントスの腹を蹴り飛ばした。

蹴り飛ばす前に気をためたせいか足の周りに風の渦がくっついた。

多分ドリルのような役目をしていたのだろう。

ギガントスの腹が少しえぐれて見える。


「意外と楽しませてくれるじゃないか。でもお遊びはここで終わりだ」

ギガントスは水の球を何個も作り始まり天井へと投げつけた。

太陽はこの球に見覚えがあった。

一番初めに戦ったドラキュラのようなタクティスはこの水の球にやられていた。

喰らったらただでは済まなそうだ。

「最後だな。お前を見くびっていたよ。ザコはザコでもザコ中のザコではなかったな。ランクアップだ喜べ。しかしランクアップもここまでだ」

投げつけた球を投げようとしたとき太陽は拳に気を込めた。

そして教室は緑色の光に包まれた。

そして太陽の頭の中に過去の勇者の戦っている姿が映し出された。

太陽はその勇者のマネをした。


「それはどうかな? アーカイブの記録を頼り風の精霊よ我に力を解き放て! STRONG CYCLONE」


拳には竜巻の渦がくっついた。

その拳でギガントスの腹めがけてパンチをくらわせた。

ギガントスはまだ少しよろけるぐらいだったが水の球は瞬く間に消えた。

よろけているときにはギガントスは隙だらけであった。

竜巻の力がある手で剣を持ち剣に気を込めた。

すると剣の周りに竜巻の膜が出来た。

竜巻の膜で覆われた剣でギガントスを切りつけた。

剣に気をためてから切りつけるまでのスピードは新幹線のように早かった。

ギガントスはSTRONG CYCLONEをくらった。


と、誰もが思った。

しかし、間一髪でよけていた。

いや、転んだところが運よくかすり傷程度しか当たらなかった位地なだけだが。

当たっていれば瀕死状態にさせることが出来ていただろう。

そして封印することもできただろう。

「あぶねー。あぶねー。あれをくらったらやべーなおい」

と、その時


「私が来たからにはもう安心よ。よくここまでよく耐えたわね。誉めてやろうこともないぞ」

さくらが変身した状態で登場したのだ。

なぜか桜はボロボロだ。

「おせーよ」

「文句は後でたっぷり聞く今はあいつを倒すよ」

「やる気になっているところ悪いが退散させてもらうぜ」

ギガントスは水の膜をまといそのままどこかへと消えて行ってしまった。


「私に恐れをなして逃げて行ったか」

「それはない」

「それはないですです」

「二人そろって何よ」

「おい。遅れてきたやつが言うセリフか?なぜ遅れた」

「学校までの道を――――――」

「嘘はよくないです」

モコ、ご名答だ。

「ゔ~。ごめんなさい。さっきまで友達と遊んでいて連絡に気づかなくて。地球の危機って時にごめんなさい。ごめんなさいじゃすまないことだけどごめんなさい」

「どうします? モコさ~ん」

「本当なら許しておけませんが、今回は太陽さんに新しい能力が加わったから見逃しますです。今回だけですからです」

桜はウルウルした目でこちらを見てきた。

卑怯者ひきょうものめが。


「モコがそういうなら俺も。次からは気を付けろよ」

「合点承知だ。それよりもSTRONG CYCLONEってネーミングセンスわる」

とっさに思い付いたのを叫んでしまったのが悪いとも思っていた。

太陽は実際気にいっていたので少しばかりく傷ついた。

「反省してないな。ネーミングセンスとか言うな」

「反省していますよーだ」

桜は反省したのか分からんがもう笑顔だ。

でも、本当に桜は笑顔が似合うよな。

「そうです。太陽さん。よく必殺技が出来ましたね」

モコは自分が教えていないことが出来ていて頭の中がぐちゃぐちゃになっている。

「正直俺も驚いてる。戦っている途中で古代に戦士が必殺技をしている所が頭に浮かんで真似してみた――――――」


太陽は力を使いすぎて倒れてしまった。

「え? タイちゃん大丈夫? ねぇータイちゃんってば」

モコは太陽の首筋に手を当て脈が動得ていることを確かめる。

脈が動いているとわかり力の使い過ぎと夜遅いことで気を失ったと思った。

桜は自分の教室がめちゃくちゃになっていることに気づき魔法で元通りにしようと思ったが自分は魔法使いだが出来ないことに気づいたことと、太陽がいきなり倒れたことであたふたしている。

モコは桜があたふたしている間にサポーターの能力で文化祭のセットを元に戻した。

教室は元よりもきれいになっていた。

その後、まだあたふたしている桜に本当のことを告げ太陽を抱いて帰った。


 《放課後の宮殿。》


 三人の朝は早かった。

帰ったのは夜中の二時。

桜はあの後叔母にこっぴどく怒られたらしい。

夜中ということもありさほどは怒られなかったが、色々と禁止されるものがあったらしい。

戦いには影響がなさそうなものだったから良かった。

良かったと言っていいものなのか。

二人は父親からは寝ているのだと勘違いされ玄関の鍵がかかっていたのでモコは太陽を背負いながら太陽の部屋へと入っていった。

そして寝不足のまま文化祭を迎えることになった。

教室はモコの魔法のお蔭で元の姿になっていると太陽は思っている。


「「「ふあ~あ」」」

 三人そろって大きなあくびをする。

「三人そろってどうしたの?」

「もしかして太陽君一晩で二人を? きゃあ~太陽君のエッチ」

クラスの女子たちから黄色いような声を浴びている俺。

誰か助けてくれ。

「しねーよ。絶対。桜には」

「ってことはモコちゃんにはするんだ」

クラスの女子のニヤニヤは増すばかりであった。

「太陽さんのエッチです」

モコは赤面しながらこごえで言った。

「私にはしないってどういう事よ。詳しく教えなさいよね。」

桜の顔は怒った顔と笑ったときのような顔が組み合わさった顔だった。

「いや、みんなしないから。冗談を引き伸ばすのはやめて~」

太陽はその場から逃げ出しその場は笑いに包まれた。


本番まで残り三十分を切った。

運がいいことに俺たちは全員前半に仕事があった。

そのため後半は四人で回ることになっている。

本番まで残り十分を切ったところでクラス委員長が

「最終確認をしまーす。音源大丈夫?」

「大丈夫でーす」「オッケーでーす」

「受け付けは?」

「大丈夫ですです」

「オバケ役は?」

「脅かすのも怖いけど精一杯頑張ります」

クラスの男子が騒ぎ始めた。

誰もが桜に心を打ち向かれたのだろう。

「オバケいっきまーす」

何かのアニメのセリフみたいに言うやつもいた。

どこも準備万端のようでよかった。

一事はどうなるかと思ったがね。

「それじゃーみんなよろしくね☆」

「ラジャー」「了解」「がんばります」「ファイトですです」

その後みんなで円陣を組んで本番を迎えた。


本番を迎えて十分が過ぎた頃俺たちは気づいた。

「音源って楽だけどひま。他の仕事は手、足りているし、やる事がなさすぎ。」

夏美の言う通りひまだ。

教室の隅でじっとしているのってもしかして一番大変な仕事だったのかもしれない。

「本当やる事ないよね。何する?」

「ディスコとか流しちゃう?」

「いやいや、それはだめっしょ」

「ですよね~ぇ」

「せめてニッポン800のあなたにとかでしょ」

「いや、それもだめだから」

 ♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪ ♪♪♪♪♪って歌詞が特に怖いです。

「「・・・・・・」」


 《リアルと妄想》

 

 いろいろな問題が発生してしまうので歌詞を♪で表しました。

 

 《リアルと妄想》


会話も尽きた。

ヒマだ。

数分が過ぎたのだろう。

そう思っていたが手元にある時計を見ると以外と二分もたっていなかった。

「あーもうひま。太陽何か面白いことをやってよね」

「いやいや、いきなり言われたってできないけど、これならどうだ」

太陽は変顔三連発をくらわせた。

夏美は耐えられなくて大声で笑ってしまった。

「なっちゃん。お化け屋敷だよ。そんな笑い声はいらないから音量もう少しあげて。ゴールあたりが聞こえてない」

おいおい。

クラス委員長も静かにして下さいな。

お化け屋敷で大声出して怒っちゃダメでしょ。

「ゴメン。ゴメン。静かにしまーす。ゴールあたりだよね?太陽もう一つあそこに置いてなかったっけ?」

「置いたはずだよ。確かめてくる」

「太陽君ありがとね」

「いえいえ。仕事ですから」

太陽はゴールあたりにある音源へと向かった。

俺たちがいるのは前の黒板がある入り口付近だ。

ゴールまで行くには受付を通ってから後ろの扉を開けなくては行けない。

受付にはモコがゴールあたりには桜がいるはずだ。

少しヒマだから喋りに行こう。


「わぁ」

モコの背後にはいり肩を叩いた。

ピク☆

かわいい。

これは男ならば誰もが引かれてしまう仕草のひとつなのではないだろうか。

すでにお化け屋敷に並んでいる生徒は心を打ち抜かれたみたいだ。

カップルで並んでいる皆さんは足を踏まれたり色々されてますけど・・・・・・。

結論はモコが可愛すぎるってことだよね。

「やめてくださいです。私そういうのは苦手なんです」

冗談抜きに本当に心臓が止まるかと思ったと言わんばかりに言われた。

「ゴメン。ゴメン。音源の仕事がヒマすぎてちょっぴりいたずらをしたくなっちゃったよ」

「もうやめてくださいです。あ、そうだ太陽さんこんなものを作ってみたんです」

制服のポケットの中から手のひらサイズの丸い何かを取り出した。

「これは?」

「タクティスが現れたときに出現場所などを示してくれるレーダーです。今までは家にあるテレビで報道されてないと出てきているかわからなかったのですが、これさえあればどこで現れたがすぐに分かりますです」

「画期的やな。ありがとなモコ。モコのためにもこれからも頑張るな」

これさえあればタクティスによる被害が少しばかりは減るだろう。

「期待してますです」

受付が少し混み始めてしまったので俺は退散することにした。

そして、音源の方へと向かう途中モコからもらったレーダーが反応した。

正直、文化祭中では出てきて欲しくなかったが仕方がない。

「夏美ゴメン。少し仕事放棄だ。あとはよろしくな」

後ろの扉付近にいたので夏美には聞こえていなかった。

太陽はレーダーの光っているところへと向かった。

レーダーが光っている位置は校舎の中だ。

確か旧校舎の音楽室のあたりだったと思う。


 《リアルと妄想》


 「ここまでしか書けてないんですけど・・・・」

えー。もっと読みたいと目でうたっえかけてくるがないものはないです。はい。

でも、こんな美梨みりさんを見るのは久しぶりでドキドキと言うかなんて言うかこうさぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ小説家なのに全く語彙力無くてこの先大丈夫なのか僕は。

「まぁ。美梨さん。次の作品を呼んでください。続きは次来るまでには作っておきますので」

僕は美梨さんに次の原稿を渡した。

すると、美梨さんは体を起こして原稿を膝の上に置いた。

「ここまで読んで思ったことはやっぱりキャラが地に足がついてない、モコちゃんの口調がたまにおかしくなってるのと、戦闘シーンが重要な作品だと思うのに内容が薄い気がします。戦闘シーンで擬音を使うのは想像が膨らまない気がしますので、そこの修正はやっておいてください」

 美梨さんはそれだけ言ってうつぶせに戻った。

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