第17話 畠山七人衆

天文の内乱から数カ月。

畠山義続は遊佐続光の七尾城攻撃による出火を自分の責任と考え隠居し仏門にはいることになった。義続を慕う畠山諸侯もこれにならい落髪、仏門にはいることになった。総貞もその一人となり名を【 温井紹春 】と名乗るようになる、ただこの時落髪した多くが今後の政務に関わりを持ち続けることになる、つまり畠山家から締め出されたのは義続1人であった。

仏門に入れども隠居せず「温井紹春」はそういう男である。


そして畠山家の新当主に選ばれたのは今年15歳になったばかりの「畠山義綱」であった。



さっそく温井紹春(総貞)は合議制の制度づくりに取り組むことになる


大義名分がこの乱を防げなかった事に対する反省からきているために最初の形が重要だった、つまり紛争当事者である温井と遊佐は含めなければいけなかった、これが2カ月間遊佐続光を攻めなかった理由である。


そもそも温井紹春(総貞)はもう遊佐続光に興味が無い。

天文の乱の本当の相手は畠山家であり、遊佐家などこの合議制を作る為の餌にすぎなかったのだ。

もちろん危なくはあった、まさか2倍の兵力を用いてやられるなど思いもよらなかった、保険の為に長続連という切り札を用意はしておいたがまさか使う事になるとは思っていなかった。


それによって遊佐と同じく葬り去る予定であった長続連も合議制のメンバーに加えざるを得なくなったのである。


とにもかくにも大義名分を重んじかつ重臣同士の合議制が最高決定権を握るというシステムを作る事に温井紹春は成功したのだった。


この制度は後に【 畠山七人衆 】と呼ばれることになる。

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