第一章乃壱 変人揃いの黒薙
『まぁ、落ち着きなさいな』
聞いたことのないはずなのに懐かしいと思える声が聞こえる。
『私は大丈夫、大丈夫だから』
少し辛そうに、【■■】は俺に言う。
『だから…絶対に帰ってきてね、弥生』
「…あ、れ?夢、か」
少し不思議な夢を見ていたような気がする。
それに、この状況はなんだろう。
普段通り両親がいないことに付け加えて
「…すー、すー」
…この幼女、誰でしょうか。
蒼く長い髪に少し力を加えたら折れそうな腕、俺にはこんな知り合いいないはずなんだが。
「…ぁ、やっと目が覚めましたか。」
シャベッタァァァァ!…ってそうじゃないだろ俺!
「…どなた様デショウカ」
「黒薙瑞穂。黒薙家次期当主です。ようこそ黒薙へ、家族として貴方を私は歓迎します」
……えっと、その
「……これは夢ですか?」
「いいえ、現実です」
…どういうことなの。
俺がよほど変な顔をしていたのか、幼女はため息をつくと説明してくれた。
要点をまとめると
一、オーヴァードとやらに俺はなった
二、んで、黒薙弥生とやらが俺を家族認定
三、そして保護
…よくわからない。
変人揃いの黒薙一族。 碧岩他人 @kerokero4456
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