変人揃いの黒薙一族。

碧岩他人

プロローグ

真っ赤な夕陽の中に、俺はいた。

目に入るのは横転したバスと腕の中で眠る彼女。

「…一体、何が起きているんだよ……?」

分からなかった。解らなかった。

いくら思考しても目の前の非日常はわからなかった。そして、その非日常を更に非日常とする人物。


「ようこそ少年、お前は俺らの家族だ。」



…男が親バカだというのはこの時の少年には知るよしもないのであった。

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