SS アリオスとシンファ

 その日、いつもと同じように草原の見回りに出ていたシンファは、空の彼方から草原を目指す大きな鳥を見つけて、見回りもそこそこに踵を返した。

 遠くから見てもすぐにわかる立派な羽と見事な体躯はアリオスのもの。

 幼い頃からのつき合いの彼女の姿を、シンファが見誤る事は無かった。


 草原を風の早さで駆け抜け集落に戻ると、その広場に美しい羽のフクロウが舞い降りるところだった。

 鳥の姿のアリオスは、駆け寄ってきた獣身のシンファを羽で制止し、器用に歩いて自分の天幕へと向かっていく。

 その様子から彼女の言いたいことを察して、シンファもまた、己の獣身を解くために天幕へと向かう。


 天幕の入り口をくぐり抜けるが早いか、シンファの姿が変わっていく。

 獣から人へ。

 背中の中程まで流れ落ちるような黒髪をうっとおしそうに揺らし、白い裸身をさらけだしたまま、足を止めることなく天幕の奥へ。

 そこにある物入れを探って衣類を引っ張り出すと、手早く身につけ、彼女は足を止めることも惜しいとばかりに反転して天幕を飛び出した。

 向かう先はもちろんアリオスの天幕だ。



 「入るぞ、アリオス!」



 そう声をかけ、返事も待たずに入り口の幕をかき分け中へと入る。

 そんな彼女を迎えたアリオスは、まだ人の姿へ戻ったばかりの姿で苦笑を漏らす。



 「なんだよ、シン。まだ着替えも終わってねぇぞ?そんなにアタシの裸が見たかったのか?ん??」



 からかうように問えば、シンファはあきれ顔で腕を組む。



 「だれがアリオスの裸など見たいものか。サカリのついた雄でもあるまいし。下らん事を言ってないで早く服を着ろ」


 「へいへい。ったく、シンはからかいがいがない。そこらに座ってちょっと待ってな。どうせ、雷砂の話でもせがみに来たんだろ?」



 言いながら、アリオスは手早く衣類を身につけていく。

 図星をさされたシンファは、少しだけ唇を尖らせて、だがアリオスの言葉に素直に従って静かに腰を下ろした。

 そわそわと落ち着かない様子を見せながらも、大人しく着替えが終わるのを待つ幼なじみを横目で見ながら、アリオスは口元にほんのりと笑みを刻む。



 (なんつーか、まぁ……可愛くなっちゃって)



 そんなことを思いながら手早く着替え、やや挙動不審気味な幼なじみの前に腰を下ろす。



 「うし。待たせたな。っと、茶でも飲みながら話すか?」


 「いや……」


 「や~、急いで帰ってきたから喉乾いてんだわ。うまい茶を飲みながらだと話も弾むと思う……」


 「待ってろ。すぐに用意する」



 少しシンファをからかうようなアリオスの言葉を皆まで言わせずに、シンファはものすごい勢いで天幕を飛び出していく。

 そして数分とたたぬ内に、湯気の立ち上る容器を手に駆け戻ってきた。



 「茶だ。飲め」



 突きつけられた器を受け取り、漂う香りにアリオスは目を細める。



 「良い香りだねぇ。あんだじゃないだろ?入れたの。誰に入れてもらった?」


 「リーロイのお婆だ。この集落で、一番旨い茶を入れるといえば、やっぱりな」


 「リーロイの!?にしてはずいぶん早いじゃないか」



 アリオスの天幕は村のはずれに近い。

 対して、リーロイのお婆の住まいは集落の中央を越えた反対側だ。

 結構遠いはずの彼女の家に押し掛けて茶を入れてもらい、ここまで持ってきた事を考えると、驚異の早さだった。



 「ああ。こぼさずに全速をだすのは結構大変だったが、まあ、なんとかなるもんだな」



 驚愕するアリオスに、シンファはけろりと答え、



 「さ、早く喉を潤せ」



 そして早く雷砂の話をとせっつく。

 アリオスは促されるまま、ずずっと茶をすすり、ほうっと息をついた。

 旨いお茶にほっこりと胸を温かくし、それから何かを思いついたように再びいたずらっ子の顔でにやりと笑う。



 「これだけ旨い茶だ。何か茶請けでもあれば更に口の滑りが良くなったんだろうけどなぁ」


 「茶請けか」



 アリオスの言葉を受けたシンファが小さく頷き、なぜか懐を探るような仕草。

 首を傾げるアリオスの前で、シンファは手品のように旨そうな菓子を取り出して見せた。

 あれぇと首の角度を深くするアリオスの手に、その菓子を押しつけて、



 「さ、食え」



 シンファはこれで文句はなかろうといい笑顔で微笑んだ。



 「なんでぇ??」


 「お前の言いそうなことなどお見通しだ。何年のつき合いだと思ってる?こんな事もあろうかと、叔父上のところからかっぱらって来たんだ。ありがたく味わえ」


 「ぞ、族長のところから!?」


 「ああ。旨そうな菓子がある場所など、他に思いつかん」


 「だからってなぁ」


 「前にもらって食べたことがあるが、結構旨いぞ?さ、さっさと食って飲め」



 シンファの迫力のある笑顔を前に、今度はアリオスが唇を尖らせる。

 ちぇっと小さく舌打ちをしてから、押しつけられた菓子を口の中に放り込んだ。

 勢いよく咀嚼すれば、上品な甘さが口の中に広がって何とも言えずに旨い。

 続いて茶を流し込めば、菓子の甘さとの相性が絶妙だった。

 ぐいと茶を飲み干したアリオスは、素直に旨かったとほめるのも何となく癪だったので、



 「からかって遊んでやろうと思ったのに、可愛くねぇの」



 そんな憎まれ口を叩く。



 「可愛くなくて結構。私が可愛いと思ってもらいたいのは一人だけだからな」



 シンファはそう返しながら余裕たっぷりににこりと笑い、雷砂の話を無言で促すのだった。







 「で、どんな話から聞きたいんだ?」



 小首を傾げて問いかければ、シンファはもじもじと瞳を揺らし、



 「っと、その……元気に、してたか?あいつは」



 そんな何とも基本的な質問を投げかけてくる。

 もっと突っ込んだ質問が飛んでくると思っていたアリオスはやや拍子抜けしつつ、



 「ん?まあ、そうだね。元気だったよ?相変わらず無茶苦茶な事をしてはいたけどね」


 「無茶苦茶な事?」


 「具体的には冒険者をやってた」



 首を傾げるシンファに、アリオスはにやりと笑って告げる。



 「冒険者?なら、お前と一緒じゃないか。お前も冒険者登録をしていたよな?確か」



 それを受けたシンファが、アリオスの数ある経歴の中の一つを思い出しながら返せば、



 「まあね。ランクはS」



 アリオスも当然の様に頷き、巷では化け物ランクとも呼ばれて畏怖されている、かなりの高ランクをさらりと答えた。

 たいていの冒険者が努力して到達できるのはせいぜいAランク。

 Sランクに到達するには、よほどの才と幸運に恵まれなくては難しい。

 アリオスとて、常識はずれに強かった当時の師匠と出会わなければ、Sランクまで上り詰めることは出来なかっただろう。

 だが、そんなことを知る由もないシンファは、大して驚きもせずにふむふむと頷くのみ。



 「Sランクか。結構な高ランクだな。前に聞いたときは確かBかA辺りだったと思うが」


 「何年前の話だ、そりゃ」


 「お前がこまめに報告しないからだろう?教えてくれなければ、お前の冒険者ランクなんて知りようがない」


 「ま、そりゃあな。確かに」



 もっとまめに話をしに来いと、唇をとがらせる幼なじみに苦笑を返しつつアリオスは頷く。

 そんな彼女の反応に、シンファもわずかに口元を緩めつつも、



 「で、雷砂はどうなんだ」



 少しそれていた話の軌道を修正した。



 「どう、って?」


 「なにをとぼけてる。冒険者のランクの事に決まってるだろう?まあ、雷砂が旅に出てそれほど経ってないし、まだ下のランクなんだろうがな」


 「ああ、雷砂のランクか」



 頷きながら、アリオスはニヤリと笑う。

 その悪そうな笑顔に、シンファはちょっと嫌そうな顔をした。

 幼い頃から、こんな笑い顔をするときのアリオスに散々からかわれたり、いたずらされたりしたものだった。

 その時のことを、思い出したのだ。



 「雷砂の冒険者ランクね。良い質問だ。いいか、聞いて驚け!雷砂のびっくりポイントその一、だ」


 「び、びっくりぽいんとそのいち?なんだ、それは??」


 「いーから黙って聞けって。知りたいんだろ?雷砂のランク」


 「……それは知りたいが」


 「よっしゃ。じゃあ、しっかり驚けよ?雷砂の冒険者ランクだけどな、なんと驚きのAランクだ」


 「えー……えーランクとはあれか?一番低いランクか何かなのか?」


 「んなわけあるかい!わかりやすく説明すれば、アタシのSのすぐ下のランクだね。熟練の冒険者でも中々到達できない高ランクだ」


 「んな!?」


 「普通なら、何年もかけて上り詰める冒険者ランクをあのちび助はあっと言う間に駆け上がりやがった」


 大したもんだよ、お前の雷砂はーからかうようにそう告げられ、シンファはその頬をわずかに赤く染めた。

 少しの気恥ずかしさと、それを上回る喜びで。

 想う相手が褒められるのは、自分が褒められるより何倍も嬉しいものなのだなーそんなことを思いつつ、シンファはふと浮かんだ疑問をアリオスにぶつける。

 あっという間にとアリオスは言ったが、それは具体的にはどれほどの期間だったのだろうか、と。



 「期間?ああ、それね。どうも冒険者登録をした次の日だったみたいだよ?Aランクupの試験を受けたの」



 それを聞いて、シンファは首を深く傾げた。

 とんとんと耳を叩いて通りをよくした後、再び問う。



 「次の日と聞こえたが、さすがにそれはないだろう??次の月、か?」


 「いんや、次の日で間違ってない。ライ坊は冒険者になった翌日にはAランク到達の偉業を達成しやがった。まあ、色々イレギュラーな事態があってやむなくと言った感じだったみたいだけどね」


 「冒険者になって、次の日にはAランク……」


 「とんでもないよねぇ。ま、たまたま高ランクの冒険者が少ないところでトラブルが発生して、強い冒険者の手が足りなくて急遽、って感じだったみたいだけど。試験官を務められるランカーも不足してたようだけど、ま、そこは偶々アタシがいたからね。何ともタイミング良く」


 「アリオスが試験官をしたのか?どんな試験だったんだ、それは?」


 「まあ、簡単に言うなら、Sランクのアタシと試合をしてそれなりに戦えればOK、みたいな?」


 「ってことは、戦ったのか?雷砂と?」


 「まあね。お互いに大けがしない程度のじゃれっこみたいなもんだったけど」


 「どっちが勝った?」


 「……一応、雷砂、かな」



 微妙に目をそらせて答えると、それをみたシンファの目が細くなる。



 「……どうせ組技でいやらしい事に夢中になっている隙に、反撃を受けて負けたんだろう?」


 「ばっ!なに言ってんのさ!?雷砂のぺったんこな体なんて触っても面白くもなんでもないだろ??」



 ちょっと慌てる様子のアリオスに、シンファの視線は更に鋭くなった。



 「じゃあ、触ってないと?」


 「も、もちろんだ」


 「まあ、確かに雷砂はまだ子供らしい体つきだからな。だが、反応はどうだった?」


 「反応か?反応はまぁまぁ……はっ!!」


 「触ったんだな?」


 「……ハイ、触りました。スンマセン」



 シンファに乗せられて、まんまと口を滑らせたアリオスは、絶対零度の眼差しに震え上がりつつも、素直に謝った。

 ここで意地を張ると後が怖い。

 長年のつき合いから、アリオスはその事を身を持って良く知っていた。

 シンファはそんな幼なじみの様子に軽く吐息を漏らし、



 「ったく、お前の組技はいつも思うが少々悪戯が過ぎるぞ。雷砂の情操教育に悪いだろうが」


 「や~、雷砂はもっとすげー事をしてると思うけどねぇ、アタシは」


 「ん??」


 「や、なんでもない。と、まぁ、雷砂のびっくりポイントその一はそんな感じだ。ちゃんと驚いたか?」


 「ああ。驚いた。だが、雷砂ならそれくらいやってのけても不思議はない。なんと言っても雷砂のする事だからな!」


 「うわ~、すげぇ親ばか……」



 なぜか得意げなシンファの顔を見ながら、少しあきれたようにアリオス。

 シンファはなぜか雷砂が清らかなままと信じている様だが、雷砂のモテモテ天然ジゴロっぷりをぶちまけたらいったいどうなることか。



 (ま~、面白そうだから、すっきりさっぱりぶちまけるけどね!)



 雷砂の怒った顔が目に浮かぶようだが、そんなのは知ったことではない。

 どうせ次に会うのは年単位で先のことになるだろうし、その頃にはもう雷砂とて何に怒っていたか忘れてしまうだろう。たぶん。

 まあ、雷砂にきゃんきゃん怒られたところで、怖いとは思わないが。


 じゃあ、いよいよお楽しみのぶちまけタイムだ。

 アリオスは、どこか嬉しそうににまにましている幼なじみを見ながら、こちらもまた楽しそうににやりと笑った。



 「さぁて、次はお楽しみの雷砂のびっくりポイントその二、だな。聞くか?」


 「聞く!!」



 飛びつくように答えるシンファにアリオスはにまりと笑いかける。



 「うし。雷砂のびっくりポイントその二は、ズバリ!雷砂の女関係だ!」


 「お、おんなかんけい?雷砂の?」


 「そうだ。アタシもすべてを見ていた訳じゃあないが、あいつはまあ、驚くくらいに良くモテる。男だったらハーレムルート一直線ってくらいにね」



 驚愕の表情を浮かべるシンファに、アリオスは景気よくぶっちゃける。

 実際問題、雷砂はすでに夢のハーレムルートに片足をつっこみかけているのだが、さすがのアリオスもそこまでは把握していない。


 アリオスが知っていること。

 それは、恋人らしき女がいる事と、複数の女から想いを寄せられているらしい事実のみ。

 雷砂の恋人が二人に増え、更に恋人予備軍がすでに3人も待機しているという事などはまだ知る由もなかった。


 だが、雷砂の女関係など、アリオス以上にわかっていないシンファは、素直に動揺した。

 なにしろ、ちょっと前までは普通に義理とは言え親子関係をつらぬいていたのだ。

 まだまだ子供だと思っていたし、雷砂の恋愛事情など、想像したことも無かった。



 「はーれむるぅと……確かに雷砂は可愛くて凛々しくて頼りになって、女が惚れる気持ちはよーく分かるが、そ、そんなにモテるのか……?」


 「ああ。モテる。アタシも実際にみてびっくりした」


 「ぐ、具体的にはどんな感じなんだ?そ、その、人数とか、関係性とか」


 「人数か。アタシが把握している感じでは、世話になっている旅芸人の一座に数人と、冒険者ギルドの受付が二人程、それから依頼で関わった冒険者も怪しいな。他にもアタシが把握してない女もいるだろうし、多く見積もって十人いくかいかないかってとこだろうねぇ」


 「女、だけか?」


 「女、だけだな」


 「そうか。男共が雷砂の魅力に気づくまでにはもう少し余裕がありそうだな」



 シンファがほっと息をつけば、アリオスも頷き答える。



 「まあ、普通に見たら、ちょっと見てくれが良いだけのぺったんこで色気のないガキだし。よっぽど特殊な趣味の男じゃないと、まだ食指は動かないだろうねぇ」


 「……ちょっと言い過ぎじゃないか?雷砂は見てくれだけじゃなくて、中身もかなりのものだぞ!?」


 「大概の男が気にすんのは女の見てくれなんだよ。しかも、特定の部位の育ち具合、とかな。ま、雷砂も少しは育ってきてるみてぇだったけど、アタシに言わせればまだまだだね。あっちもまだまだつるつるで、まだまだ子供だったし」


 「……ちょっとまて」


 「あん?」


 「アリオス、お前見たのか?」


 「見たって何を……あ゛、やべ」


 「見たんだな?」


 「う。それは、その。シ、シン。お、落ち着け。な?」


 「大丈夫だ。私は十分に落ち着いている。安心しろ。正直に答えれば命までは取らん」



 殺意のこもった眼差しを受けて、アリオスはだらだらと冷や汗をながした。

 自分はS級冒険者で、シンファとの鍛錬でも負けたことなどないのだから、それほど怯える必要などありはしないのに、なぜか震えが止まらない。

 アリオスは、ごくりと唾を飲み込んだ。



 「で、見たんだな?」


 「あ、ああ。み、見た。けっ、けどな。アレはたまたま、というか、不可抗力というか……」



 アリオスは必死に言葉を継ぐ。

 ウソは言っていない。あの場面で、アリオスは何もしなかった。

 ちょっと口を挟んでそう仕向けたり、頼まれてちょっと手を貸したりはしたかもしれないが、自分から手を出してない。

 それに、あそこまで勝手に暴走したのはヴェネッサだ。

 アリオスは面白そうだから、それにちょっと乗っかっただけだ。ほんの、ちょっとだけ。



 「たまたま……そこに劣情はなかったと?」


 「劣情?んなのあるか!!相手はライ坊だぞ?自分の子供みたいなもんだ。子供の成長をほんのちょっぴり見守っただけの事だよ。やましいことは何もない!!」



 あの時のことは、ほんのちょっぴり雷砂に悪かったなぁとは思っていたが、そんなことはおくびにも出さずにアリオスは言い切った。

 そうしなければ終わる、そう思ったから。

 アリオスの瞳の奥まで見透かすように、シンファがじいぃぃぃっと見つめてくる。

 正直怖かったが、アリオスは目を逸らさずに受け止めた。

 目をそらしたらヤられる、本能がそう訴えていた。



 「やましいことは何もない、か。その言葉を信じよう」



 シンファのその言葉に、アリオスの体中から力が抜けた。助かった、と。

 だがしかし、そこで終わらせてくれるほどシンファは甘くはなかった。



 「信じはするが、お前が雷砂に不埒なまねをしたのは確かだ。その罰もかねて、これから私の鍛錬の相手をしてもらうぞ?」


 「い、いいけど、お手柔らかに頼むよ?」


 「雷砂の今の強さを知っているお前は言い鍛錬相手だ。私の糧になってもらう。今夜は、眠れると思うなよ?」



 何とも凛々しい眼差しで流し目をもらうが、ちっとも嬉しくない。

 聞きようによっては色っぽいセリフにも聞こえるはずの文字列は、見事なまでに殺伐としていて、その言葉はもっと色っぽい場面で聞きたかったと、アリオスは遠い目をした。



 「さ、思う存分ヤり合おう!!」



 シンファは血に飢えた獣の如き笑いをその口元に浮かべ、アリオスの襟首をつかんで引きずるように連れて行く。

 アリオスは抵抗することは諦め、少しでも早く終わるといいな~とただ願うのみだった。

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