人の良心の境界線とは? 〜傘パク問題〜 後編
さて、長々書いていたら最長の記事になってしまったんで、
前回は中途半端なところで強制終了してしまいました。
書いてて疲れたからとか、飽きたからとか、
そんなんじゃありませんよ、決して。
Trust me.
*
前回のテーマは、
「人の良心の境界線とは? 〜傘パク問題〜 前編」でしたね。
ビニール傘は見た目からして安物ですし大量生産なので、
放置された傘の一本や二本は抜き取られても仕方がない存在なのかもしれません。
色がついていないのも、マーキングされていないような錯覚さえ醸し出しています。
ですが、個性的な傘、
たとえば、色付きの傘なんかはどうでしょう。
赤色の傘は女性が持っていそうですし、
黄色の傘は幼稚園児が持っていそうです。
差別じゃないですよ。あくまでイメージです。
成人男性がこれらの傘をあえて借りパクするでしょうか?
もちろん状況にもよりますが、透明ビニール傘と並んでいたら、
迷わずビニール傘を手にとるのではないでしょうか?
傘もなにかしらのアイデンティティを示すおしゃれアイテムであり、
それにそぐわないものを自ら進んで選ぶことはないとおもいます。
個性的なものを傘パクすると足がつく可能性も高くなりますしね。
小まとめ > 傘はおしゃれアイテムであり、アイデンティティである
これとは別の次元で、価格の問題も発生するとわたしは思っています。
(ここからが本題です)
前回のラストでは、高そうな傘はパクられにくい説を唱える目前で切ってしまいました。が、きっとそういうことです。
これはどういうことでしょう?
たとえを変えて考えてみましょう。
*
ある日曜日の昼下がり、散歩に出かけたあなたは、道端に硬貨が落ちているのに気づきました。
あなたならどうする?
1: なにもせず立ち去る
2: ネコババする
3: 交番に届ける
さあ、どっち!?
わたしの場合、大きい声では言えないけれど、
2: ネコババする
を選ぶと思います。
でも、場合によりけり。
1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉くらいまでは、
「自分も落とすことがあるかもしれないし、巡り巡ってきたんだよね?」
くらいの気持ちでネコババするとおもいます。
見つけても拾う労力が勿体なければ、無視するかもしれません。
交番に届けるのはコスト的に論外でしょう。
500円玉だとちょっと微妙。
交番に届けても微妙だし、ネコババすると良心を咎めそう。
無視かな?
じゃあ紙幣なら?
わたしなら、きっと交番に届けると思う。
上記、単数枚のとき。
じゃあ、ヘリコプターから万札がばらまかれたら?
人だかりができて、拾い集める輩も出てくるとおもいます、ドラマみたいに。
大量にあるんだから、ちょっとぐらいわたしにくれたっていいじゃない、的感覚になるのでしょうか? (つまり、相対的に万札の価値が下がるからでしょうか?)
落としたお前が悪いんじゃい、的な。
とりあえず、この場合も良心を咎めない気はします。
価値がないものだったらどうでしょう?
たとえば、空きカンとか。
清掃ボランティアの人とかは拾うかもしれませんが、
普通の人は拾わないでしょう。
とにかく、
わたしの場合は、取得物に関してはその価値に応じて、異なる行動を起こす気がしています。
海外では神のおぼしめしだとかなんとか言って、
ネコババする国も多いと思いますが。
*
傘パク問題に戻りましょう。
もし傘が高級そうだったら、
あるいはそもそも傘という存在が価値の高い商品だったら、
そう簡単に傘パクしますかね?
傘そのものと経年劣化具合によって決まる価値によって、
傘パクされやすさは決まると思います。
小まとめ > 価値(絶対的/相対的)によって、ネコババされやすさが変わる
*
最初のほうに、私はこう書きました。
> ビニール傘は見た目からして安物ですし大量生産なので、
>放置された傘の一本や二本は抜き取られても仕方がない存在なのかもしれません。
> 色がついていないのも、マーキングされていないような錯覚さえ醸し出しています。
ビニール傘は価値が存在するけれど、絶対的にも相対的にも安価であるため、パクられやすい。
足が折れていたり歪んでいたらなおさら良心は痛まないのも、価値に関係すると思う。
機能しないくらい壊れすぎていたら、傘としての価値はなく、パクらない。
一方、傘が高そうだと、価値あるものを盗むことと、盗られた人が雨にぬれてしまうことからくる2つの罪悪感を背負うことになる。パクらない。
(個性的な傘だと、捕まるリスクやアイデンティティの不一致から辱めを受けるリスクを背負うことになる)
もちろん、状況や個人差によって異なる場合がございますけれども。
私は、価値(やリスク)によって良心の境界線が決まっているように感じています。
あなたの良心の境界線は何で決まっていますか?
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