第26話 全米連邦 チリ州 サンティアゴ市 旧大統領府州知事公舎 近隣

旧大統領府州知事公舎、行く道筋には凄まじい爆煙が舞い上がる 正に溝端の無邪気な大量爆破


花彩、呆れるも

「この街並、打って変わって、まるで戦場写真ですね」

渕上、毅然と

「溝端のはったりどす、びびらんと行きますよ」

島上、大仰に

「ああ、奴は戦士のたがが外れた奴だ、絶対飲まれるな」

渕上、表情改め

「おや、優しいよって」

島上、とくとくと

「空回りしたら、前に進まん、奴の言葉に絶対乗るな」


嘲笑うかの様に行く手に”ドーン”、不意の爆発


溝端、爆煙の中から再び

「島上さん、そこは乗って頂きたい しかし、ここまでいらっしゃるとは、全く凄いお歴々だ、いやもう、これだけの方々を相手にするだなんて、私の興奮が止まりませんよ」

阿南、美久里を庇う様に

「溝端、」

米上、ジャケットの懐から合金スローナイフを繰り出しては

「ちょっと、出番が多いわよ、」溝端へ投擲

溝端、またも消え失せる

爆発でひっくり返された車へ、抉る様に突き刺さる合金スローナイフ


いつの間にかビルの高層階のベランダの、溝端

「これは素早い、米上の勝爺のお孫さんでしたね、上家衆オールスター戦以来刃物は慣れましたよ、全くこれだから日本人は気が短くていけない そうですよ銃撃戦の方が興奮すると言うのに、実に無粋だ、あの音、実に良い、実に切ない、敢え無く死ぬ人とはこの世界に何の意味があるんでしょうね、今日は哲学的な一日になりそうな予感ですよ、はは、」笑い転げる

渕上、見上げ

「溝端、あなた戦争犯罪人に認定されてるの知らないんですか、ブルックリン消失後、インドパキスタン境界線で率先しては紛争開始、いい加減にしなはれ」

溝端、見下ろし

「戦争犯罪人ですか知ってますよ、しかし実に懸賞金が低い、1億だなんて、死ぬ迄足立村で毎日缶詰生活が関の山ですよ」

美久里、噛み締め

「やはり、この人が第六次インドパキスタン戦争の発端になった人」

渕上、矢継ぎ早に

「パキスタンを最後に、奪われたブレインアーキテクツは今何処にあるのどすか」

溝端、事も無げに

「これはこれは、それを大っぴらに言いますか ブレインアーキテクツは私が奪った訳では無いので知りません、ですが、もうお分かりですよね、とっくの昔に復興遂げている国ですよ」

花彩、即答

「まさかの麦秋ですか」

溝端、不敵に笑う

「さあ、推測にお任せします 日本は残念でしたね、交渉の席に乗らないのが悪いんですよ」

渕上、一際声を張る

「大枚でブレインアーキテクツを手に入れるなんて、大概ですよ、どの口がいいますか」

溝端、口を真一文字に

「良い条件を出せないなんて、誠意が無い証拠ですよ、そんなに頭を下げるのが苦手ですか」

阿南、声を荒げる

「うるさい、日本が悪党と交渉するか、」

北浜、激昂

「てめー逃げてばかりいないで、下に降りて来い」

溝端、事も無げに

「残念ですがおさらいの時間はここまでです あなた方がM4ATを全機お釈迦にしたせいで、私が発破を用意しないといけない 知ってますか民衆は恐怖が募る程、権力に縋り付く、実に判り易い、実に従順です そう旧大統領府州知事公舎前に門番はいますが、後程またお会することでしょう、それでは」苦笑混じりに消え失せる

同時に、次々大通りの発破が爆発炸裂

街が炎に一気に包まれて行く

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