秘密結社のヒミツなオシゴト ―あなたの“進化”をお調べします―
俺とミッチーは学校の帰り道で封筒を拾った。
「なぁ、中身金はいってたらどうするべ!」
「ばっか、そんなん決まってるべよ!けーさつ届けるフリして持ってかえんのさー!」
「さっすがワカだー。で、開けて見るべ?」
「おっ、中になんか入っとる」
「なになに?」
「チラシだ」
≪あなたが人間の中で、進化が進んでる人か遅れてる人かをお調べ致します≫
「なにこれ……気持ち悪かー!」
「真っ黒な紙に赤い文字とか悪趣味にもほどがあるってもんだわ」
「で、つづきは?」
「待たんかい。今読むから」
≪お値段はたったの五十万円!≫
「「高っ!」」
更に、どの部位が優れているのかを的確にお教えするプランに、今回は思考をお調べするサービスをお付けしての特別価格でご提供致しております。
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劣等感に浸っているあなた。
実はあなたが人間の進化論から見れば最も優れた人物であるかもしれません。これが人生で最後の機会です。試してみては如何ですか?
「危ない香りがぷんぷんだ」
「捨てよ。どっか遠くに捨てよ」
「あ、そこのトラックの荷台に捨てとき」
「おう」
捨てる。
「ふぅ、一件落着」
「悪徳商売かー。怖いもんだ」
「五十万円ていったらゲーム何個でも買えるな」
「んだな。さーて、帰ってポケモンでもするべー!」
「よーし、今日は完膚なきまでにやっつけてやる!」
みちる君と若井君が手放したチラシ。
貴方ならどうしますか?
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