第三部 明日への鎮魂歌

前書き

 誰しもがその存在を忘れかけていた頃に、美奈皇帝は再び姿を現した。再登場した後の彼女は、既に全盛期の彼女ではなかった。彼女を突き動かしていたのは、皇帝という地位や名誉でも、国を守るための責務でもなく――。しかしそれでも彼女は、帝国の、いや全世界で唯一の皇帝であった。


 皇帝の時代がいよいよ幕を下ろす。残り火の輝きのように、その存在感が示された後に。

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