【ほ】牡丹

 威厳のある『牡丹ぼたん』は、花言葉も『王者の風格』という立派なものです。中国の国花であり、新年を祝う花なんだとか。

 他にも『高貴』『富貴』といった花言葉があらわすように、百花の王として人々に愛されています。


 別名もたくさんあって、『ハツカグサ(二十日草、廿日草)』『フウキグサ(富貴草)』『フウキバナ(富貴花)』『ヒャッカオウ(百花王)』『カオウ(花王)』『カシン(花神)』『テンコウコクショク(天香国色)』『ナトリグサ(名取草)』

『フカミグサ(深見草)』『ワスレグサ(忘れ草)』『ヨロイグサ(鎧草)』などがあるそうです。


 牡丹が日本文学に初めて登場したのは『枕草子』なんだそうです。

 日本と中国の文学だけでなく、俳句に絵画にも多く登場します。怖いものが苦手なのですが『牡丹燈籠』も有名ですね。そういえば『牡丹と薔薇』なんてドラマもありましたっけ。


 美人をあらわすのに『立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花』という言葉があるくらいですから、それはもう華麗で見事な花です。


 薔薇や椿のように、たくさんの品種があり、その名前もロマン溢れるものばかりです。

 ざっと挙げてみても、『黄金の塔』『月宮燭光』『深夜の星』『不夜城』『白雲竜』『暁の雪』『白鳥の湖』などなど。

 名前を見るだけで、まるで花が開くように童話の世界にも似たロマンが広がります。名付け親はきっと、その花に言葉ではおいつかないほどの無限の憧憬と熱情を見出していたのでしょうね。


 牡丹を目にしたときというのは、満天の星空に圧倒されて息を呑む瞬間に似ています。その存在感に宇宙をみたような気がするのでした。


 私の夫の菩提寺は、敷地内に数多くの牡丹を植えている牡丹寺として割に名が知れているようです。

 毎年、時期になると牡丹を見に行くのですが、写真を撮ろうとしても一輪一輪が画面に収まりきらないほどの迫力と優雅さを誇っています。ちょっと気圧されながらも、つい見とれてしまいます。来年も楽しみです。


 ちなみに『花の宰相』とも言われる芍薬と『花中の王』である牡丹って見分けがつきますか?

 どちらもボタン科 ボタン属ではありますが、牡丹は樹木で、芍薬は草なんだそうです。それに、葉もつぼみも、違いがあるんだとか。

 椿とサザンカ、アヤメとショウブとカキツバタの違いがわかるように、この両者の見分けがすぐにわかる人って、なんだか素敵ですね。


 牡丹は1/17、4/14、4/21、5/3、5/7、5/15、5/17、7/24の誕生花だそうです。



 牡丹の花言葉一覧:『王者の風格』『高貴』『富貴』『壮麗』『誠実』『恥じらい』


 ピンクの牡丹の花言葉一覧:『風格ある振る舞い』

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