【に】ニオイアラセイトウ

 本日のお題は『ニオイアラセイトウ(匂紫羅欄花)』です。

 分類としてはアブラナ科 エゾスズシロ属になり、別名を『ウォールフラワー』といいます。

 J.M.バリの作品『ケンジントン公園のピーターパン』にはニオイアラセイトウのジュースが登場します。どんなジュースなのか想像もつきませんねぇ。


 別名『ウォールフラワー』の由来は、想い合う男女が城壁から落ちてその跡に咲いたというお話の中で、駆け落ちの合図としてこの花が用いられたことなんだそうです。

 そのせいか花言葉もなにやら情熱的なものばかり。『愛の絆』『逆境にも変わらない愛』『逆境にも変わらない誠』あたりは、まさしくその伝説を象徴しているようです。


 特に『愛の絆』というのは、ニオイアラセイトウという名前のもとになった、とても似ている『アラセイトウ』の花言葉でもあります。両者は別ものなのですが、どちらも駆け落ちの合図に使われたのだそうです。

 余談ではありますが、『アラセイトウ』の別名を『ストック』といい、ドラマ名探偵ポワロの『あなたの庭はどんな庭』で重要な手がかりとなります。


 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』にも言えることですが、障害があって燃え上がる悲劇の二人というシチュエーションは昔から人々の心を打ちますね。花言葉に『好奇心』なんてあるのは、駄目と言われるとかえって盛り上がる心理からでしょうか。それともドラマチックな恋愛を楽しむ傍観者をさしているのかも。


 時をとめた二人、駆け落ちをした二人……恋の勢いはすごいものです。この花には『永続きする美』という花言葉があります。死をもって忘却されるまで記憶の中で美しさを保つか、それとも駆け落ちまでする二人には顔に皺が刻まれてもその奥に美を見出すことができるのか。

 まぁ、ロマンですわね。


 ニオイアラセイトウは1/7、3/30、4/9、4/10、4/13、5/1、5/6の誕生花だそうです。



 ニオイアラセイトウの花言葉一覧:『愛の絆』『逆境にも変わらない愛』『逆境にも変わらない誠』『好奇心』『愛情のきずな』『永続きする美』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る