か行

【か】カスミソウ

 『カスミソウ』はナデシコ科 カスミソウ属の植物です。ユーラシアの温帯地方を中心に100から150種程度が分布するそうです。

 別名を『ジプソフィラ』『ギプソフィラ』『ベビーズブレス』などと言うようです。『ベビーズブレス』はつまり『赤ちゃんの吐息』……なんて素敵なネーミングセンスでしょう。

 

 その名の通り、花束に加わるだけで霞のごとく全体的にほわっと広がりを生み出すものです。

 私がカスミソウに抱くイメージは、普段はそばにいることが自然すぎてわからないけれど、いざ失ったときにその存在の大きさがまざまざわかるような女性です。


 カスミソウだけで主役になることはあまりないように思われます。

 大体の場面において縁の下の力持ちというか、文字通り『華を添える』のです。漫画でいうところの背景に貼るトーンのような気がします。主役の花の周りに美しい空間が生まれるのは、カスミソウの力でもあります。


 そんなカスミソウの花言葉は『感謝』『淡い心』『深い思いやり』『ありがとう』『清らかな恋』など、ひっそりとそばに佇んでいるイメージのものが多いなと思います。

 そして、どの言葉も花束に添えるに相応しいメッセージだと思います。


 ところで、以前エッセイで『霞立つ』という季語を取り上げたことがありました。

 いつもはなんとも思わない普通の山も、霞がかっているだけで霊峰のように見えてしまうから不思議です。

 山に霞がたなびいていると、なんだか天上の神様が霞を伝って地上に遊びにきてしまいそうだと想像力がかきたてられます。それも、霞のもたらす神秘性ゆえ。

 カスミソウの『魅力』という花言葉は、そんな霞のように他の花々を更に魅力的に見せるヴェールで包んでしまうからでしょうか。


 いいえ、カスミソウそのものも充分、魅力的だと思うのです。だって、カスミソウがなくなったときの花束の寂しいこと。

 白い粉雪のようでもあり、水面に煌く光のようでもある花は、自身の花言葉の通り魅力的なのですね。


 カスミソウは1/5、1/11、2/3、3/18、4/1、4/4、4/12、4/30、5/3、5/21、5/25、6/1、6/3、11/30、12/19の誕生花だそうです。



 カスミソウの花言葉一覧:『切なる喜び』『親切』『清らかな恋』『感謝』『感激』『愛らしい』『夢見心地』『淡い心』『清い心』『深い思いやり』『無邪気』『切なる願い』『ありがとう』『幸福』『魅力』『永遠の愛』『純潔』


 ピンクのカスミソウの花言葉一覧:『切なる願い』『感激』

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