花言葉あいうえお

【き】菊

　『菊』といえば皇室の御紋であり、日本の国花の一つ。それだけに花言葉も『高貴』『高尚』『清浄』といった立派なものです。

　別名を『翁草（おきなぐさ）』『齢草（よわいぐさ）』などといいます。

　古くは『日本書紀』に登場する菊理媛神（ククリヒメのカミ）の名にもあります。

　この神はイザナギが死んだイザナミに会いにいった際、口論を取り持ったとされます。結局、イザナギは変わり果てたイザナミと袂を分かつわけですが……。

　なんだか神産みの神話は菊の花言葉である『破れた恋』『女性的な愛情』『私を信じてください』などを思い出します。

　横溝正史の名作『犬神家の一族』にも菊の花がお目見えします。

　それは『よき・こと・きく』の三種の家宝と、菊人形という形で登場します。『よき・こと・きく』は手ぬぐいの柄にもありますが、斧は「よき」とも読み、琴の字を「こと」、菊花を「きく」と読ませ「良い事を聞く」と洒落ています。

　それにしても、あの菊人形の場面……発見者はトラウマになりますよね。

　群馬県に住むようになってからは、昭和初期に建てられたとある劇場で開催される菊のイベントに行くようになりました。

　『関東菊花大会』といって、菊人形だけではなく、様々な菊を出品しています。盆栽、盆養、大作り、前垂懸崖作り、静岡懸崖作りなど、いろんな種類があるんだそうです。おおぶりの菊の花びらはまるで果物のように瑞々しくて、目にも鮮やかです。

　私は故郷山形でよく食べた食用菊『もってのほか』を思い出してしまいます。記憶では黄色と薄紫色があったかなぁ。

　さっと茹でた菊の花びらをからし醤油でいただくのですが、きゅっきゅと独特の歯ごたえが鳴って美味しいのです。『元気』『生命力』という花言葉もありますが、まさしくそういうものをいただいている気分になれます。

　菊は私たちの生活に非常に密着している花ですね。

　仏花に使われる一方、おめでたい柄になったり、菊人形や品評会で賑わったりもする。なんとも両極端な場面で見かけるのに、自然と馴染んでいる花です。

　菊の花言葉には『あなたはとても素晴らしい友達』というものもあるそうですからね。

　菊は9/8、9/9、10/1、10/14、10/27、11/3、11/27、12/9、12/13の誕生花だそうです。

　菊の花言葉一覧：『高貴』『高尚』『高潔』『真の愛』『私を信じて下さい』『女性的な愛情』『清浄』『破れた恋』『上機嫌』『元気』『貞操』『生命力』『あなたはとても素晴らしい友達』

　赤い菊の花言葉一覧：『あなたを愛します』『愛』『私は愛します』『真の愛』

　白い菊の花言葉一覧：『誠実』『真実』『慕う』

　黄色い菊の花言葉一覧：『高潔』『ろうたけたる思い』『おぼろげな思い出』『わずかな愛』『破れた恋』『軽んじられた恋』『失意』

　ピンクの菊の花言葉一覧：『甘い夢』

　紅色の菊の花言葉一覧：『愛情』『愛』『恋の勝利』

　濃色の菊の花言葉一覧：『私を信頼して下さい』

　スプレー菊（マム）の花言葉一覧：『清らかな愛』『わずかな愛』『私はあなたを愛する』