第14話 後継者現る
さて、新入生が入学して早くも一か月が経とうという頃。新入部員のことが
大体わかってきました。
新入部員は3人。
一人はまじめにテニスをしに来ました的な感じの男子。もう一人はサークル感覚で入部してきたいかにもなちゃら男です。このチャラ男ですが、遊び感覚で入ってきたと思っていたので、すぐやめるだろうなとか失礼ながら思ってしまっていたのですが、意外と文句こそいうもののやめる気配がないので、根はまじめな奴かもしれないですね。
さて最後にもう一人紹介を忘れてしまっていました。この子が今回内田君の正当な後継者ともうわさされている人物なのです。その男子生徒の名前は高橋君。彼はだいぶ癖のある人物で、雰囲気もどことなく内田君に似ているのです。しかも学部学科も同じという奇跡。これを後継者と言わずしてなんと言いましょうか!
ある時内田君と高橋君が会話していたところをたまたま見かけた時の事。
「先輩なんでも知ってるんですね!すごいですっ」
「当然じゃないか!むしろこんなことも知らないとかお前ダメな奴だな!」
「くぅ~! かっこいいっす!」
正直内田君が言わせてるとしか思えないくらい内田君の従僕と化している高橋君。もう完全に飼いならしてしまっている気でいる内田君も内田君ですが……。
あと二人とももう日本語しゃべってない時があって、なぜ会話が通じているのか理解不能でした。
「この間~先輩が練習の時に……」
「ですよね! 僕はシシャモが好きですっ」
この会話だけで理解できると思いますが、高橋君、内田君の話を全く聞いてないというね。それに気づいていない内田君、いと哀れ……。
少し内田君を不憫に思いました。それでも僕はおもしr―ゴホンッ何も言わず暖かく見守るだけなのです。
そして残念なお知らせがあります。
入学式の時に来てくれた女子3人とも入部してくれませんでした……。こっちには内田君というきもかわ路線をひた走り続ける男がいるというにも関わらず……。
え何、女子ってきもかわが好きなんじゃないんですか違うんですかそうですか。
でも泣かないで内田君(泣いてません)。君には立派な後輩基後継者がいてくれるじゃないか。それに私だって心の底から応援しているんですから。私なんてファン歴1年の大ベテランですからね。もう内田君検定1級持ってるレベル。
一応は後継者にも恵まれて、いい一年になりそうな気がします。
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