第5話 何県民?

 突然ですが、うちの部活の練習って結構ちゃんとしてるんですよ。乱打して一本打ちしてサーブ練習等々……。当然、練習にも熱心な内田君は、掛け声も返事も大きいです。やる気に満ち溢れているんですねぇ。とても良いことだと思います。

 ただね、やはり余計な何かが多い内田君。練習時にも我々の集中を削いでいくんですよ。本人は気づいてないんでしょうけどね。


練習時、ボレーミス

「なんでやねん!」

サーブミス

「なんでやねん!」

乱打時の空振り

「なんでやねん!」


 もうことあるごとに浪速の漫才師みたく「なんでやねん!」っていうんですよ。最初はずっと内田君が関西人なんだなと思いつつ、でも標準語うまいなぁとか思ってたんですけどね。

 さすがに気になったので、聞いてみたんです。

「内田君、内田君。ミスの時いっつも「なんでやねん!」って関西弁出るけど、関西の人なの?」

「?いやいや。俺はれっきとした関東人ですよ。千葉県民」

何ということでしょう。ことあるごとに関西弁だったのに、千葉県民だったとは。

 しかも本人、関西弁を言ってる自覚がないんですよ。なんでしたら言葉も発してないよって言っちゃうレベル。関東の人でも無意識に関西弁って出るんですね。

 千葉県民だからなのか、それともやっぱり内田君だからですかね。

 それからというものそれを聞くたびに心の中で「千葉県民なのになぁ」て思いながら練習してます。もう集中力削がれっぱなしや!

 おっと私も関西弁が出ちゃいました。これも内田君の刷り込みのせいですね。


 内田君、練習に身が入らなくなるから関西弁は程々にね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る