第20話 【 雑記 】ペガサスの話
皆さんはペガサスのお話をご存じですか?
ギリシャ神話に登場する背中に翼を持つ天馬のことです。ペガサスは天空を
女神アテナが黄金の
この気高い天馬ペガサスの誕生に至った、哀しい物語を知らない人も多いと思う。神話なので諸説ありますが、後の世で加筆されていく神話だから、それも仕方ないことですが……。
まだ神と人が同じ世界を行き来していた時代のお話です。
仲良しの三姉妹がおりました。ゴルゴーン三姉妹と呼ばれる彼女たちは、上の姉から、ステンノー(強い女の意味)、エウリュアレー(遠くに飛ぶ女の意味)と呼ばれています。末っ子のメドゥーサ、その名前の語源はmedousa(女支配者、女王)の意味でした。
メデューサは髪が蛇になった怖ろしい怪物のことですが、元は美しい少女でした。――なぜ怪物にされたのか、二つの説があったようです。
一つ目は、美少女であったメドゥーサが、海神ポセイドンの
神殿を冒とくされたと女神アテナの怒りをかい、醜い怪物にされてしまったという説。
父は全知全能の神ゼウス、オリンポス十二神の一人であるアテナは、ギリシャ神話では最も重要な神の一人です。また、彼女は永遠に処女の純潔を守り続ける“ 処女神 ”でもあります。
ちなみに“ パルテノン ”とは、“ 処女 ”を意味する言葉。
まあ、そういう所でやっちゃたのだから、メドゥーサもアテナに恨まれても仕方ないか。お相手の海神ポセイドンは、ゼウスの兄でアテナの伯父に当たる人である。こっちに手出しできない分……メドゥーサ憎しは十倍増しだったようで、これに抗議したメドゥーサの姉二人も同じ怪物に変えられました。
この辺の徹底ぶりは女神といえど、やっぱり女だなあと思う。しかも三姉妹の中で、不死身でないのはメドゥーサだけでした。
二つ目は、メドゥーサが『自分の髪は女神より美しい』といってしまったために、アテナを怒らせて、怪物に変えられてしまったという説。
「んまあー! あたしの髪より美しいなんて、絶対に許せない!!」
自分の方が髪がきれいといっただけで、髪の毛の一本一本が蛇という異形の姿をした怪物にされたのですから、メドゥーサが気の毒過ぎると思ったのは私だけだろうか?
さらに、最も恐ろしいのは『その姿を見たものは石になる』という呪いを帯びていること。
あまりにも恐ろしい容姿のため、血を凍らせ、石に変えてしまうといわれています。
【 メドゥーサ 】
美しい髪の少女メドゥーサ
わたしの髪が一番きれい
……と言ったばかりに
言ったばかりに……
女神アテナの
その髪を無数の毒蛇に変えられて
見るもおぞましい怪物になった
その姿を見た者を
一瞬にして石に変える魔力
もう誰もメドゥーサを見ない 見ない
生きながらに その存在は死んでいる
やがて 醜さゆえに悪しき魔女とされ
英雄ペルセウスに首を掻き切られ
退治されてしまった
メドゥーサの生首から したたる血は
海に落ちて 赤い珊瑚になった
砂漠に落ちて 猛毒の
そして 天馬ペガサスが生まれた
嘆きのメドゥーサ
おまえにどんな罪があったのだ?
女神アテナの嫉妬の生贄に
美しい髪の少女メドゥーサ
わたしの髪が一番きれい
……と言ったばかりに
言ったばかりに……
ギリシャの神様たちはあまりに無慈悲だと思います。
それでも怒りが収まらないアテナは、英雄ペルセウスがメドゥーサを退治しようする際には全面援助しています。
メドゥーサは、見るものを石にしてしまう能力を持っていたので誰も退治できなかったのですが、ペルセウスは鏡のように磨き抜かれた盾を見ながら、眠っているメドゥーサの首を青銅の鎌形の刀で掻っ切った。
その時、メドゥーサの首から噴き出した血は、空駆ける天馬ペガサスを生んだのです。
また、ポセイドンとメドゥーサの子である黄金剣を持ったクリューサオールも生まれました。
ペルセウスが空飛ぶ翼のあるサンダルで海を渡っている際に、包んであったメドゥーサの首から血が滴り落ちて、それが赤い珊瑚になった。切り落としたメドゥーサの首から滴る血が砂漠に落ちて、猛毒のサソリが生まれたともいわれる。
それにしても天馬ペガサスが、あの怪物メドゥーサから生まれたという伝説に驚きました。雑記、ペガサス誕生の四方山話でした。
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