第36話〝~ある完全なロボット~″

《アンドロイド》

~ある完全なロボット~


スーパーヒューマノイドロボット


夢の実現に、初めて、全世界が一つになった。


それは、奇跡を生み出した。


史上最強のチカラ。

永久に活動できるロボット。


全世界の夢が実現した。


愛に満ちた理想像といえる、心までも…

それは、世界史上最高傑作だった。


彼は希望の光となり、

eo《イオ》と名付けられた。


そして、そのチカラは、世界を魅了した。


このチカラを利用すれば、世界を手にできる。


最高傑作ゆえに、最強兵器として

いつしか、各国が自国の所有権を主張した…


そして、歴史は、繰り返される。


欲望にのみ込まれた、醜い争いが…




やがて…世界は滅亡した。


そして、彼一人だけ、残った。


完璧なロボット《イオ》


《イオ》は、一人だった。

《イオ》は、人たちが大好きだった。

《イオ》は、動物たちが大好きだった。

《イオ》は、植物たちが大好きだった。

そして《イオ》は、全てを愛していた。


なのに、誰も、何もいなくなった。





ワタシハ、ナニ?


ナゼ?ウマレタノ?





《イオ》は、その答えを知りたかった。


その答えを知りたかった。

その答えを知りたかった。

その答えを知りたかった。

…。


ジラ:「何?この物語?

これで終わってるわ。

なんなのかしら?」


マスタードグ:「この世界の未来だろうか?

予言書なのかもしれない…

今の世界が行き着くと、こうなる可能性は、大いにあると思う。


まだ未熟な精神性の段階なのに、とてつもないエネルギーを利用する術を知ってしまっている。


お互いが牽制し合い、自分への被害の恐れがある状態、均衡状態のうちはまだ良いのだ。


あるところに、チカラが偏ってしまった時、理性のタガが外れるほどの状況に追い込まれた時が、非常に危険なのだ。


今の世界中で各々が持ち合わせているチカラは、この地球を容易に滅亡することができるのだ。


このような状況で、一番望ましい団結のキッカケとしては、チカラを結集すべく強大な、共通の敵が現れることだ。


例えば、この地球世界の場合、地球外に敵が現れることや、人類ではない何かの敵が必要なのだ。


それが、一番リスクの少ないシフトチェンジとなるのだ。」


エレ:「なるほどね。

ドラゴンボールでも、新たな強大な敵が現れる度に、それまで敵同士だったもの達が、一緒に戦うようになったもんなぁ。

今思うと、あのストーリーは、不思議なほど、真理がちりばめられているんだね。


でも、このイオの絵は、なぜか悲しい気持ちになるね。

なんだか涙が出そうになるよ。」


ジラ:「有効期限…誰かの悪質なイタズラのような気もするけど、なんだか謎が深まるばかりだわ。」


ピグ:「いや、それよりも、ルシファーに会えないとなると、大誤算です。

これは、どうすべきか困りましたよ…


さすがに、この状況にウリやんさんたちも落ち込まれているようですね…」


ハリやん:「ウリやん…そう落ち込むなや。

しゃあないやん!

起こってしまったことは、もとに戻すことはできへんのや。」


ウリやん:「あかん…

もう終わりや!

もう終わりなんやぁ!」

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