第37話〝もう…終わりやん…″

ウリやん:「もう…終わりやん…」


ハリやん:「そんな落ち込むなや…お前らしくないやんか。」


ウリやん:「でも、全国放送やで!

そんな大舞台で、屁ぇかまして、恥さらして!

落ち込まへんほうが、おかしいやん!」


ハリやん:「アホか!落ち込んでたら、ほんまにやったと思われるやん。

ここはな、うまくのりきれる方法があんねん。」


ウリやん:「何?ほんまに?

ちょっとそれは予想外やで!

教えてぇや!」


ハリやん:「この状況を利用して、演出やと思わせるんや。


本気で落ち込んでたら、ほんまにやったと思われるやん。


幸いなことに、テレビで臭いまではわからんやん。


そやろ。」


ウリやん:「ハリやん!お前!今日は、見違えるほど冴えてるやん!


そや!

演出や、演出やで!


…。



でも…どうしたらええんやろ?」


ハリやん:「まず、落ち込んだふりやったことにしなあかんで。


そこが大事やろ?」


ウリやん:「せやな!今のままやったら、ほんまに屁ぇして落ち込んでる奴のままやもんな!」


ハリやん:「そこさえのりきれたら、あとはなんとかあの人らの会話に調子を合わせておいたら、あたかも出演者の1人として演じていると思うやん。」


ウリやん:「さすがや!

これは、大きな借りができたわ!

あとで、プリン🍮おごるわ。」


ハリやん:「よっしゃー!忘れんなよ!プリン!」


ジラ:「どうしたらいいのかしら…」


ウリやん:「あんたら、何を落ち込んでんねん。

元気だしいや!

落ち込んでても、何も起こらへんで!

どうすべきか考えるか、行動するかせんことには、何も変わらへんがな!」


ジラ:「確かにそうだわ。

すごい、まともなことも言うのね。

見直したわ。」


ウリやん:「さすがに、オバハン!

立ち直りが早い!

似合わんリボンつけて若作りしてるだけあるやん。」


ジラ:「誰がオバハンよ!」


ハリやん:「あかん!ウリやん。

あのオバハンは、あぁ見えて執念深そうや。

あんまり、ちょっかいださん方がええで。」


マスタードグ:「しかし、ウリやんハリやんのチカラを持ってしても、この結果というのは腑に落ちないのだが…」


ウリやん:「おい…ハリやん…何かあのおっさん、俺らのチカラがどうこう言うとるけど、なんなんやろ?」


ハリやん:「たぶん、なんかわからんけど、ええ役与えられてんのとちゃうか?

ここは、アドリブ勝負やで。

適当に話合わせつつ、何かかっこいいとこアピールせな…。」


ウリやん:「そやな…よ、よし。

まず、ストーリーを確認せんとあかんな。


あのみなさん、俺らは、あんたらの話がイマイチよくわからんから、まず手短かに教えてもらえへんやろか?」


ピグ:「はい。この世界は、ここにいらっしゃるエレ、神様が作られた世界です。

今、この世界は、お金というモンスターが支配するLEOシステムにコントロールされてしまっています。

この世界を救うためには、この世界の管理者として、この世界にとけこんでいるルシファーに助けてもらう必要があるんです。


そして、この《秘密の書》が、ルシファーを解放できる、唯一の手掛かりだったんです。」


ウリやん:「…。そ、そうか…


おい…ハリやん…。

結構、奇想天外なストーリーやぞ。


あのけったいな鼻のやつが、神様らしいで。


ちょっと、ついていける自信ないんやけど…。」


ハリやん:「せやな…ちょっとマニアックな世界やで、ウリやん。

もうこうなったら、俺らは、素人やから、ダメもとで適当にやるしかないな。

無理すると、ハゲるだけや。


あいつが神様やったら、俺らはこの世界を救うヒーローっていうのは、どうや?

救世主ちゅうやつや!」


ウリやん:「なんやそれ!めっちゃかっこいいやん!

ええんやろか?俺でええんやろか?」


ハリやん:「ここは、勢い良くいったもんがちやで!」


ウリやん:「よ、よっしゃ!頑張るわ!


オホンッ。


ま、まぁ、あれやな…大体のことはわかったわ。

ルシファーはんを見つけたらええねんな?」


ピグ:「そうなんです。ただ、手掛かりが…」


ウリやん:「し、心配無用や!俺様を誰やと思うとるんや!

俺は、そのために現れた救世主やでー!

俺がこの世界を救うたる!」


ピグ:「ウリやんさん。なんだかすごい頼もしいですね!」

エレ:

「僕は、どうもあの関西弁に、まだ馴染めないなぁ…」


ジラ:「なんなの?あの底知れぬ自信は?」


マスタードグ:「やはり、とんでもない二人なのだよ。ウリやんハリやんは!」


ウリやん:「みんなは騙せても、俺の目はごまかされへんで!


その答えは、あいつが知っているんやー!」


ウリやん以外みんな:「ええっ?」


ハリやん:「アホ!ウリやん、調子に乗りすぎや…

どこに向かって言うとんねん…」

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