第30話〝ハックシュン!″

ハリやん:『ウリやん。また、台風がくるみたいやで。』


ウリやん:『ハックシュン!ハックシュン!ハックシュン!』


ハリやん:『タイミング悪すぎないか?なんでくしゃみやねん。』


ウリやん:『台風、吹き飛ばしたってん。』


ハリやん:『んなあほな。』


マスタードグ:「いや、実は、このくしゃみで、本当に、吹き飛ばしてしまったのだ。


ことの流れは、こうだ。


くしゃみをした場所が、奇跡だった。


彼らの目の前に、パソコンでこれらの台風を発生させ、コントロールしているものがいたのだ!


彼らは、金で台風の発生装置の使用権利を購入し、あたかもゲームでもしているかのように、パソコンで操作していたのだ。


1号あたり、数十億円。

金さえあれば、大嫌いな日本に対し、台風で懲らしめることができるゲームを。


過去には、戦略的に使用されていた装置のため、あくまで自然災害を演出しつつ利用されていたのだ。


最近は、LEOシステムの功労者への褒美として、ストレスを解消させる方法の一つとして、利用されるようになったのだ。


だから、不自然な台風、地震の発生が最近多くみられるようになった。


そうそう、ウリやんのくしゃみは、見事そのパソコンにぶちまけられ、操作者は、ビックリしたはずみで、今まさに口に入れようとしていたナポリタンを落下、慌てて汚れたパソコンを拭き取ろうとした。

それが二つの台風の進路を大幅に狂わせた…そして、さらに慌てふためいた挙句、三つ目の台風をDelete=削除してしまったのだよ。


操作者は、呆然としていたよ。

なんせ、100億円を超える買い物が、瞬時に水の泡と化したんだからね。


こんな事例もあった。

上海の浦東国際空港で、爆破テロの計画が進んでいた。


彼らは、綿密な計画を立て、あらゆる職務になりすまし、爆破箇所の準備を整えていった。


しかし、爆弾を積んで向かっていた計画犯は、不慮の交通事故で自爆したのだ。


これも、なかなか見応えがある奇跡だった。


ウリやんとハリやんは、ウリやんの家のテレビのニュースで、最近中国国内で、ハイジャックやテロが増えているという事実を知った。」


ウリやん:『ハリやん、なんか怖い世の中やなぁ。テロとか、起こるなんて、想像でけへんなぁ。

なんて日本は幸せな国なんやろ。』


ハリやん:『う、ウリやん…何をマトモな会話をしてんねん!

見てみぃ!サブイボたってもうたやん!』


ウリやん:『う~ん…実は…

俺もサブイボたってもうたぁ!

あかん!慣れへんこと言うたから、頭、痛なってきた!

バファリン飲んで寝よ。』


それから、ウリやんは、母親を呼んだ。


ウリやん:『おかん!バファリンあんの?バファリン!』


おかん:『なんやて?フリン?』


隣で、たまたま会社仲間に電話していた父親は、ビックリした。


父親:『不倫?い…いや、急に何をいうてんのや!俺を疑ってんのか!』


それを聞いた会社仲間は、ビックリして、吸っていたタバコにむせた。


むせた拍子に、タバコの灰が落ちた。


落ちた先は、嫁が大切にしているテーブルだった。


彼は、慌てふためいた。


コゲなんかつけたら、殺されかねない勢いで怒られるのは目に見えている。


彼は、すぐさま灰を息で吹き飛ばした。


飛んだ灰には、火種が残っていた。


そして…火事になった。


彼の家の前の道路は、狭いながらも交通量が多い。


消防車は、道をふさぎ、消防士は消火活動に専念する。


道は、混む。


その影響に巻き込まれたのが、テロ組織のメンバーだ。


彼は、飛行機に間に合わないことを知らせる為に、仲間に電話を入れた。


その仲間は、爆弾を積んで向かっていた者だ。


彼は、電話を受け、仲間に遅れることを告げられた。


テロリスト:『なんだと!乗り遅れる?じゃあ日を改めるしかねぇな。

それと、例のブツも忘れずにたのむぞ。

あれがねえと、イライラと落ちつかねぇんだ。

じゃあ、アジトに戻るから、何かあったら、連絡くれ。』


そして、仲間は、例のブツのことをすっかり忘れていたのに気づき、慌てて進路を変更し、スーパーへ向かった。


テロリスト2:『しかし、えらいレアなもんにハマったんやのぅ。

わしも、よう知らんわ。


え~と、マカダミアナッツおかき……

ないがな!


すんませ~ん!マカダミアナッツおかき売ってへんの?』


スーパーの店員:『マカダミアナッツおかきですか?

そんなのあったかなぁ?

どこのメーカーか覚えていらっしゃいますか?』


テロリスト2:『え〜と…メモや!メモ?

何を書いてんのかわからんな…

頭名やらは坂頭柔は魚屋またまたらアナアナゴや?

違う!これは、爆破パスワードや!


マカダミアナッツおかき…岩塚製菓、


岩塚製菓らしい。』


スーパーの店員:『あっ!店長〜!いいとこにいてくれた!店長、岩塚製菓のマカダミアナッツおかきってあるんですか?』


店長:『あ〜。あれなぁ。

もう、置いてないんです。

今あるのは、豆の入ったおかきやね。

どうしても欲しいんでしたら、新潟に行けばあるんやないでしょうか。』


テロリスト2:『ないんかいな。

さすがに、新潟まで足運んでられへんからなぁ。

ありがと!

電話しとこ。』


📲

テロリスト:『おー。どうしたぁ?間に合ったんなら、今まだ戻る途中だから、引き返そか?』


テロリスト2:『いや。完全に、乗り遅れたから、無理や。

それよりも、大変や!

マカダミアナッツおかき、あらへん言うてんのや!

欲しかったら、新潟へ行けやと。

当面食われへんなぁ。』


テロリスト:『なんだとぉぅ!うわーっ!!』


という流れで、彼は、事故って自爆した。


このような、奇跡が繰り返し起こったのだ。


なぜか、ウリやんとハリやんが、一緒にいる時に。」

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