第18話〝そして、彼は、ドグと名乗りました。″

ピグ:「…話がそれてしまいましたね。ジラ?あなたが遅れた経緯の説明を、エレにするんでしたね。」


ジラ:「そうね。エレから、別れたあと。私は、ピグを迎えに移動しようとした…


思いの法則通りであれば、これは、何ごともなく間に合うはずでした。

早く着きたい…

などの願いの思いは、一切なかったのです。

ただ、一つ、いつもと違っていたのは、肯定的なイメージである、ピグとの再会の場面が、どうしてもイメージできませんでした。


法則2️⃣○○だと思うと、○○になる。


これが、まったく作用しなくなっていました。


この驚きの事実に、急に私は今までにない【不安】に襲われました。


そして、なぜこんな事態になってしまったのか、不思議でしかたありませんでした。


エレと別れたあとの出来事を振り返っても、特別異常なことは何もなかったのです。


しいて言えば、電気屋の前を通った時、大型のテレビで映し出されたニュースが、なぜか気になり、そのニュースが終わるまでの間、立ち止まっていただけでした。


そのニュースも、特に取り上げるほどでもないのでは?と思うくらいの内容でした。


『本日、○○動物園のライオンの○○が、風邪をひきました。

本日は、終日公開されないとのことです。』


メディアもネタがなくてヒマなのね。

そんな感想しか言うことのない。

その程度のニュースでした。

それから、しばらくして、法則2️⃣が利用できないことに気づき、【不安】になり、焦りが生まれ、願いの思いに見事に陥ってしまったの…


そして、なぜか法則1️⃣は、作用することも気づきました。


しかも、いつもより、作用しやすくなったという感じがしたの。


心の法則を理解してから長い間、願いの思いからは、遠ざかっていた私にとって、この状態は、信じられない出来事でした。


それから、待ち合わせの場所に向かう道中というのは、悲惨の連続でした。


悪循環…


これも、長い間経験してなかったのに…いや、二度と経験しない心の使い方を身につけたはずなのに……。


そして、悪循環の極みとして、交通事故に巻き込まれそうになり、もう少しで車にひかれそうになったその時、ある人に助けられ、命拾いしたのです。


彼は、車に手を触れることなく、手をかざすだけで、止めたようでした。


そして、彼は、ドグと名乗りました。


ドグ:「危なかったですね。あなたの足取りのふらつき、顔色がひどかったので、心配になり、後を歩いていたのですが、やはりそうでしたか。」


ジラ:「ありがとう…本当に助かりました。

失礼ですが、いったい、あなたは誰なのですか?」


ドグ:「私は、ドグ。

どうも、世界の心のバランスがおかしいと感じ、そのひずみの中心であるこの場所まで調べに来たところです。」


ジラ:「えっ?あなたも、そう感じられるのですか?」


ドグ:「えぇ。特に、ここ、都会と言われるあたりは、深刻な状態になってしまっていますね。」


ジラ:「私はジラといいます。

私も、最近の世界については、疑問を持っていました。

そして、特に背後には、必ずお金が関わっているように感じています。

この世界の法則を理解してからは、その影響を受けない心の状態の保ちかたは、身につけていたつもりでした。

ただ、先程の心の状態の変化は、かつて経験したことのないものでした。

心の法則が使えず、願う思いにしかならないような…強烈な【不安】が襲ってきました。」


ドグ:「ジラ…。…私が調べてきたこと、考えていることをお伝えした方が良さそうですね。

あなたは、携帯電話をお持ちですか?」


ジラ:「えっ?新手のナンパ?!」


ドグ:「いやいや…勘違いしないでください。

質問の仕方をかえましょう。

携帯電話を常にお持ちですか?」


ジラ:「はい…。この世界では、当たり前のように、みんなが持っていますが…なぜですか?」


ドグ:「すでに、管理されてしまっている事を知ってほしいのです。

特にスマートフォン化してからは、さらに管理されやすくなってしまった。

恐ろしい仕組みです。」


ジラ:「どういうことですか?」


ドグ:「あなたは、LEOという名を知っていますか?」

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